第42回の総合防災セミナーは「経時的データ分析における時間を考慮した特徴の抽出と視覚化:テキスト解析入門」というご講演タイトルで滋賀大学データサイエンス学部/京都大学防災研究所巨大災害研究センター非常勤講師の和泉志津恵教授がご講演くださいました。
京都府の緊急事態宣言も解除されたばかり…ということで本日はZoom開催です。
統計的解析の手法についてお話を伺えるとのことで、開催が決まった時から楽しみにしていました。
ご講演はテキスト解析入門として、広島と長崎の平和宣言のテキストデータを利用した解析の実例をご紹介いただきました。
2部に分かれており、
・時間を考慮しない解析について
・時間を考慮した経時的解析について
途中で質疑応答の時間を挟みながら進めてくださいました。
実例、といっても非常に中身が濃く、テキストデータの量的分析やテキストマイニングを行えるフリーソフトウェアKH Coderの利用方法から始まり、形態素解析、ジャッカード距離、階層的クラスター分析、予測曲線、多次元尺度法、ポアソンモデルによる解析まで盛り沢山の内容です。とはいえ、視覚化と結果の解釈が美しく、盛り沢山なのに終始わかりやすいお話で、なるほど!と繰り返しているうちにあっという間に時間が経っていました。
質疑応答も大盛況で、中野先生からKH Coderの利用者としての観点でのご質問や畑山先生から解析結果の解釈について、横松先生から視覚化されたデータの解釈についてなどなど。質問のたびに惜しみなく和泉先生のお考えや貴重なご経験談をお教えくださいました。
私は、どうしたらこんなに綺麗な解析ができるようになるのか、とても気になり質問させていただきました。大事なのはコミュニケーションというお答えが一番感銘的で、「解析入門」としてこのような心構え・姿勢をもつことの重要性を教えていただきました。加えていくつか良い結果を導き出すための解析のコツを、こちらも惜しみなくお教えいただきました。「学問に近道なし、しかし王道から始めるべし!」ですね。次回、データ解析を行う際は早速、今回お教えいただいたことを取り入れていきたいと思います。
和泉先生、本日はご講演いただきありがとうございました!
文責:廣井
ご講演概要
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「経時的データ分析における時間を考慮した特徴の抽出と視覚化:テキスト解析入門」
和泉志津恵 教授(滋賀大学データサイエンス学部/京都大学防災研究所巨大災害研究センター非常勤講師)
2021年3月5日(金)15時~16時30分
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