平成19年の風水害 今回の注目記事 2007/06/27 00:00〜2007/06/28 00:00

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1.突風探知システム構築へ 気象研究所がデータ収集,山形新聞
RV=25.5 2007/06/27 19:34
キーワード:突風,観測,気温,気象,研究

38人が死傷した庄内町のJR羽越本線特急いなほ脱線転覆事故などを受け、気象庁気象研究所(茨城県つくば市)は、JR東日本などと協力し、7月上旬から庄内地方で突風の発生を瞬時に把握するシステム開発に向けた研究を始める。風の動きなどをとらえる「ドップラーレーダー」など気象観測装置を新たに設置し、気象データをきめ細かく収集。3年計画で突風が発生するメカニズムを解明して突風探知システムの開発を目指し、列車の運転規制など安全運行に役立てていく考えだ。  同研究所によると、JRが今年1月にドップラーレーダーを設置した余目駅から、約10キロ離れた庄内空港周辺にドップラーレーダー1基を新設。さらに、庄内平野を中心に、風向風速、気温湿度などを調べる約25基の観測装置を4キロ間隔で設置し、地上観測網を整備する。また、直径約1.5メートルの気球を使って地上から約20キロ上空までの気象データを調査する高層気象観測も実施し、庄内地方の詳細な気象データを蓄積していく。  これらのデータを基に、スーパーコンピューターを使って突風をもたらす気象の乱れなどを再現して原因を分析し、リアルタイムで突風が探知できるシステムを開発する。研究期間は2009年度までの約3年間で、08年度までに観測をほぼ終え、09年度にデータ処理などを行って突風探知システムの試作品を完成させたいとしている。  気象研究所は、羽越本線の脱線転覆事故の原因が突風とみられていることや、北海道佐呂間町、宮崎県延岡市の竜巻被害などを受け、突風探知の必要性を緊急課題ととらえた。そこで既にJRがドップラーレーダーを設置した庄内地方で、研究を行うことにした。  この研究は独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(横浜市)の「運輸分野における基礎的研究推進制度」事業に採択され、約6000万円の支援を受けて進める。今後観測装置を購入、設置し、10月上旬から実際に観測をスタートする。  同研究所の楠研一主任研究官は「これだけ詳細にデータを集め、高性能のコンピューターで突風探知システムを開発する研究は世界でも珍しい。完成すれば鉄道の安全運行に加え、自動車などほかの交通機関の安全対策にも生かせるはずだ」と語っている。


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