1.台風4号 本島直撃 3年ぶり暴風域
,沖縄タイムス
RV=215.1 2007/07/13 12:00
キーワード:風速,本島,沖縄,暴風,那覇,接近,漁港,強風
3人けが20人避難
大型で非常に強い台風4号は十二日午後十時現在、那覇市の南二七〇キロにあって沖縄本島中南部、宮古島の一部を暴風域に巻き込みながら、本島地方に向かっている。台風の中心が本島地方に最も接近するのは十三日の昼すぎから夕方にかけてになるとみられる。十三日午前零時すぎには沖縄本島、久米島、宮古島地方全域が暴風域に入る見込み。十二日、強風で台車が飛ぶなどして三人がけが、二十人が自主的に避難した。最大瞬間風速は十二日午後十一時五十五分、那覇市樋川で三三・五メートルを記録した。
中心付近の最大風速は五〇メートルで、二〇〇六年に石垣島地方に甚大な災害をもたらした台風13号に匹敵する勢力がある。本島が暴風域に入るのは三年ぶり。県は十二日午後、災害対策本部を設置した。
台風は十二日午後十時現在、北緯二三度五〇分、東経一二七度五五分にあって中心の気圧は九三〇ヘクトパスカル。最大瞬間風速は七〇メートルで中心の北東側二六〇キロと南西側二二〇キロ以内では風速二五メートル以上の暴風。中心の東側七〇〇キロ以内と西側五四〇キロ以内では風速一五メートル以上の強い風が吹いている。
台風は今後、沖縄本島地方から奄美地方の近海を北上し、その後は進路を東寄りに変え、十四日には西日本に接近するおそれがある。十三日の雨量は沖縄本島で三五〇ミリを予想。
空の便は国内・国際線で七十八便が欠航、約一万人が影響を受けた。十三日も午前を中心に百六十四便の欠航、二便の遅延が決まっている。
陸では沖縄都市モノレール(ゆいレール)が、十二日午後九時以降の運行を休止した。十三日も午前六時の始発から運休。本島内の路線バスは、十二日午後十時三十分までにすべての路線で運行休止。十三日も、始発から運休の見込み。
十二日、うるま市栄野比の工場で、男性(26)が強風にあおられた木製台車に当たり、額を七針縫う裂傷を負った。同市与那城平安座の建設会社では男性(50)が屋根から落下し、左手首を骨折した。那覇市繁多川では女性(26)が転倒、頭に軽いけがをした。
高齢者を中心に、渡名喜村で十人、金武町で四人、うるま市と沖縄市で各三人が公共施設に自主避難した。
道路では沖縄自動車道と南風原道路の全線、那覇市の泊大橋、浦添市のなうら橋、南城市知念のニライカナイ橋が通行止めになった。
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農家、収穫・補強急ぐ/催し延期・中止相次ぐ
今年初めて沖縄に接近する台風4号に、宮古島や沖縄本島では十二日、農家が収穫やハウスの補強に追われている。各地でイベントの延期や中止の決定も相次いでいる。
宮古島と周辺離島を結ぶ定期航路は午後五時までにすべて欠航。宮古空港を離着陸する航空便も夕方から欠航が続いた。
本年度の出荷量予測で過去最高規模の約三百四十dが見込まれる宮古地区のマンゴー。出荷のピークを迎えた農家は早朝から収穫と風対策に追われた。同市上野のマンゴー農家の男性(49)は「やっとこれから出荷のエンジンがかかるころだったのに」と困惑した様子だった。
本島への接近は三年ぶり。南部では、農家がハウスのネットの巻き取りを急いだ。オクラ畑を見回っていた農家の男性は「どれだけ風が吹くか心配だ」と不安そうに話した。
各漁港では、漁民らが船を陸揚げするなど厳重に警戒している。
スク(アイゴの稚魚)漁の時期を迎えた南城市奥武島。ベテラン漁師は「明日まで漁は無理だが、十四日に船が出せれば」と望みを懸けた。
十三日夕に県立郷土劇場で予定されていた第十四回県かりゆし芸能公演(親泊流八重の会〜夏風にうすらりてぃ)は、八月三十一日に延期が決まった。
期日前投票所 閉鎖の可能性
県選挙管理委員会は十三日に始まる参院選の期日前投票について、暴風圏に入り、公共交通機関が運行中止され、市町村の施設が閉庁された場合は、投票所が閉鎖されると注意を促している。期日前投票所の閉鎖や再開は、各市町村ごとで決定される。
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