3.川内川激特 さつま堤防計画 国交省が説明会
,南日本新聞
RV=29.0 2007/08/06 07:57
キーワード:川内川,堤
昨年の鹿児島県北部豪雨災害に伴う川内川の河川激甚災害対策特別緊急事業(河川激特)で、さつま町虎居地区の右岸に建造予定の堤防について、国土交通省は4日、地元説明会を開き、民家など50数戸の移転が前提となる計画を初めて公表した。用地買収に向けた測量の打診に対し、住民側は拍手で応え、同省は「同意は得られた」として交渉を本格化させる。
虎居地区一帯では湾曲部の開削による分水路整備、虎居橋延伸や宮都大橋架け替えも予定され、今回の激特で最大規模の河川改修工事が町中心部に集中する。
同省川内川河川事務所によると、堤防は盛り土による土堤とコンクリートの特殊堤をつなぎ、全長2キロ、用地は6.2ヘクタール。川岸から1本目の町道は生かし、道路より川側を買収して堤防を築く。町のまとめでは用地の地権者は約100人、対象となる建物は民家や事業所など50数戸。
虎居地区公民館には地権者を含む住民約200人が集まった。同事務所の竹下真治調査課長が堤防の位置や構造、水位の低下見通しを図面を示して説明。築堤自体に目立った異論は出なかった。
買収に伴う補償金の積算には土地や建物などの調査が必要として、竹下課長は「用地測量に入らせてほしい」と要請。すべての地権者は出席していなかったが、同事務所は「内々に協力をいただいている」として、同意は得られたと判断した。
住民からは(1)民家や道路から流れ出る内水対策(2)景観に配慮した築堤(3)工事中の安全対策−を求める意見が相次いだ。同事務所は「内水対策は下水路整備など、できる限り努力する」と回答。川づくり検討会や工事説明会を設ける考えを示した。
同事務所は10月にも測量に入り、個別協議を経て、来年の今ごろには用地引き渡しを終えるよう作業を進める方針。
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