1.世界最大級アオサンゴ 大規模白化
,琉球新報
RV=69.9 2007/08/10 16:10
キーワード:白,サンゴ,石垣島,海岸
【石垣】世界最大級といわれるアオサンゴの大群落が広がる白保の海で、大規模な白化現象が確認された。「世界自然保護基金(WWF)サンゴ礁保護研究センター」が9日、発表した。白化現象は海水温の高温などが原因とされ、同センターによるとことし7月、白保海域では海水が30度以上を記録した積算時間は415時間で、平年の4倍以上だったという。同センターは「1998年の大規模な白化現象を上回る事態で、白保さんご礁の深刻な危機だ」と懸念を示している。
多様なサンゴ種が生息する白保さんご礁(石垣島海域)は、世界最大級の群落を誇るアオサンゴやユビエダハマサンゴなどが生息している。白保を中心に、石垣島北部から中央部のさんご礁は8月1日に西表石垣国立公園に編入されたばかり。
同センターは8月4―6日に白保海域の28地点で調査を実施した。海岸付近から沖合の礁原(ピー)付近までほぼ全域でサンゴの白化を確認した。
白化はミドリイシ属で90%以上、コモンサンゴ属やキクメイシ科で50―70%のほか、98年の調査では白化が確認されなかったアオサンゴでも一部白化が見つかった。
白保海域では、6月21日ごろから最高水温が30度を超えるようになり、7月23日以降は最高水温が30度を下回らない状態が続いている。水温30度以上を記録した積算時間は415時間で、2003―06年の平均の約4倍。
同センターは「梅雨の降雨や台風の接近数が少なかったことが原因ではないか」と指摘する。「このまま高温が続けば、白保さんご礁に深刻な危機を与えるものと考える」と分析している。
<ニュース用語>サンゴの白化現象
サンゴの細胞内に共生する藻類の褐虫藻が高水温などのストレスで逃げ出し、サンゴが白っぽく見える現象。白化が続くと、サンゴは栄養源を失い死滅する。
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