1.大戸川ダム、治水専用で復活 国交省が整備計画原案、「穴あき」で
,京都新聞
RV=92.8 2007/08/28 23:19
キーワード:京都,意見,流域,宇治,改修,目標,事業,復活,戦後,整備
国土交通省近畿地方整備局は28日、事実上の凍結方針だった大戸川ダム(大津市)について、洪水時だけ貯水する治水専用の「穴あきダム」として復活することを盛り込んだ淀川水系河川整備計画の原案を発表した。穴あきダムの方針を示していた丹生ダム(滋賀県余呉町)は、建設を前提にダムの形態を再検討する。
大戸川ダムの復活について、整備局は、京都市内を流れる桂川の河川改修に伴い、下流の流入量が増える淀川の大阪府枚方市で計画水位を超すことが予測されるため、上流部で流出量を抑える必要が出たという。
総貯水容量は従来計画の約3分の2にあたる約2200万立法メートル。京都府や大阪府の水需要がなくなり、常時貯水する必要がなくなった。事業費は約1000億円を見込む。
丹生ダムは、琵琶湖への環境影響などを検討した上で、2、3年をめどに総貯水容量を含めて穴あきダムか貯水ダムか判断する方針。
淀川水系の5ダムのうち、余野川ダム(大阪府箕面市)は凍結▽天ケ瀬ダム(宇治市)の再開発は継続▽川上ダム(三重県伊賀市)は規模縮小で建設−と、整備局が2005年7月に示した方針通りとした。
一方、瀬田川洗堰(大津市)の全閉操作は、宇治川の改修や天ケ瀬ダムの再開発、大戸川ダムの整備後に「原則として行わない」とした。
今後2、30年の整備内容を示す原案は、戦後最大の洪水だった1953(昭和28)年9月の台風を対象に、被害を生じさせないことを目標に掲げた。専門家会議「淀川水系流域委員会」や各自治体、流域住民の意見を踏まえ、本年度内に策定する。
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