1.夏決算:この夏も猛烈に暑かった 行楽地・施設に“明暗” /佐賀
,毎日新聞
RV=102.2 2007/09/02 15:01
キーワード:猛暑,海水浴,前年,暑い,気温,例年,熱中
◇高校総体も影響−−スポドリ大売れ
「猛暑」も盛りを過ぎ、ようやく日差しも弱まりつつある。高校総体があり、佐賀北が甲子園で全国優勝した夏。県内の「決算」は――。
<選手・役員約3万3000人、応援や観戦者が延べ約50万人と予想された高校総体。行楽施設には来場者増の期待も>
「高校総体関係者のおかげで、昨年を上回る利用があった。お土産品も売れたし、旅館も埋まった」と唐津市観光課。一方で、海水浴客は前年度の87%にとどまった。熱中症を心配したためではないかという。
同じく高校総体効果があったとするのは、国営吉野ケ里歴史公園(神埼市、吉野ケ里町)。台風接近で7月の入場者数は前年同月より約1160人少なかったが、8月は28日の時点で前年同月を6000人近く上回った。
「8月に入って高校総体参加者の来場が多かった」と同管理センターの中島健雄企画課長。一日平均だと、前年同月比25%増という。「霧状の水をまくミストシャワーや日がさ、ぬれた手ぬぐいの貸し出しなど、暑さ対策に力を入れたことも効果があったのでは」
だが、屋内施設では“空振り”も。
県立宇宙科学館(武雄市)の夏休み期間中の入場者は、約4万8000人。前年同期比で5000人のマイナス。「天気が良かったので、屋外施設にお客さんが流れたのかもしれない」
<佐賀地方気象台によると、佐賀市では7月22日〜8月29日まで39日間連続の真夏日。観測史上6番目だった。だが気温35度以上の猛暑日は昨年より8日少ない15日間>
「猛暑と高校総体が重なったおかげで、例年以上にスポーツドリンクが売れました」と、ディスカウントショップ・ダイレックス佐賀店の鬼木健一店長。前年比2割増だったという。サンクスジャパンも同様で、同6倍の驚異的な伸びを見せたスポーツドリンクもあった。
また、猛暑には食で対抗を、と考えたのか、贈答用の肉類が伸びたという。「中華料理や焼き肉用の肉は2ケタの伸び。物によっては倍」と玉屋(佐賀市)の担当者は振り返った。
一方で、「今年の夏は暑さのせいで蚊が減った」という声もある。
あるディスカウント店は「蚊取り線香(スプレー式殺虫剤を含む)が売れなかった。ようやく前年並み。小売店はもっと厳しいのでは」。確かに、蚊に刺された跡を見ることは、梅雨時よりも減ったような……。
卸業者は住宅高層化などで家に蚊が寄りつけなくなり、年々蚊取り線香の消費が減っていると指摘、猛暑との関連を否定する。一方で「あまりの暑さと好天で水たまりができず、蚊が成虫になれなかったのでは」とも。
8月30、31日と佐賀市内の気温は30度を切った。佐賀の暑い夏が終わりに近づいている。
9月2日朝刊
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