1.蔵王温泉源泉に台風被害 宿泊客のキャンセルも,山形新聞
RV=69.3 2007/09/10 08:16
キーワード:温泉,湯,源泉,旅館
山形市蔵王温泉の源泉の1つが、台風9号に伴う7日の大雨の影響で土石流の被害を受け、一部の旅館が温泉の提供を受けられない状態に陥っていることが9日、分かった。土石流の直撃で、露天風呂施設の一部が壊れた旅館もあり、宿泊客のキャンセルも出ている。紅葉、行楽の観光客が増える時期を目前にしての被害だけに、関係者のショックは大きい。
蔵王温泉の旅館関係者によると、蔵王温泉には、沢の源泉が3つと、高湯通りの源泉群がある。土石流の被害を受けたのは、沢の源泉の1つ「湯左ノ沢源泉」。温泉が自然にわき出す源泉で、わき出た温泉をいったんコンクリート製の箱にため、この箱からパイプを引いて旅館5軒が温泉の供給を受けている。
このうちの1軒が7日午前6時半ごろ、施設内の温泉が止まっていることに気付き、源泉を確認。コンクリート製の箱は土石流で流され、温泉を引くパイプも複数カ所で断絶していたという。
源泉に上る途中の沢も流木や土砂で埋まり、橋が流された場所も。現地は人が歩くことができる程度の山道しか通っておらず、重機が入れない地域。関係者は「撤去、修復は手作業で行うしかなく、難航するだろう」と表情を曇らせた。
この源泉を利用していた旅館の1つ「堺屋森のホテル ヴァルトベルク」では、旅館から100メートルほど離れた場所にある沢沿いの露天風呂の囲いなども土石流により流された。沢沿いの景観が売りの露天風呂だったが、その沢は流木や土砂で埋め尽くされ、一変した。
同旅館によると、温泉が出ないため、宿泊客には堺屋グループの旅館に回ってもらうなどし、対応しているという。しかし、露天風呂は旅館の看板でもあり、「これを目当てに来るお客さまもいたので打撃は大きい。キャンセルも出ているし、お客さまに申し訳ない」と肩を落としていた。
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