平成19年の風水害 今回の注目記事 2007/09/11 00:00〜2007/09/12 00:00

Yahoo!ニューストピックス: 「平成19年の風水害」
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2.市民の要求置き去り/県内豪雨1カ月 ,沖縄タイムス
RV=55.2 2007/09/11 15:00
キーワード:安里,マンション

県内各地に深いつめ跡を残した記録的な豪雨から十一日で一カ月が過ぎた。那覇市の蔡温橋周辺で起きた安里川のはんらんと、長田のマンションで地盤が緩んだ災害は、行政の調査による原因の解明にはまだ至っていない。必要な対策が取られているかどうかも分からず、市民らの要求は置き去りにされた格好だ。県内は不安定な天気が続いており、大雨のたびに被災者からは「雨が降るとまた不安になる」と、嘆きの声が漏れる。(粟国祥輔)  「もう大雨は降ってほしくない」。今月七日、那覇市安里の時間貸し駐車場。管理人の女性は渋い表情を見せた。同駐車場は豪雨による安里川のはんらんで冠水、駐車中の車両数台が水没した。  「全部廃車になった」それ以降、「今日は大丈夫ですか」と利用者からの問い合わせが相次ぐようになった。「天気を見て商売しているようなものだ」とぼやく。  近くの琉球バス交通もバス二十四台、個人の自家用車七十七台に被害が出た。  このうちバスと自家用車二十六台は計五百二十万円をかけて修理。しかし、残りの四十四台は修理費が高く断念せざるを得ない状況という。  上原章男取締役は「会社も損失を受けており、個人の車までなかなか手が回らない」と説明。その上で「はんらんの原因は蔡温橋しかない」と指摘し、「従業員を何とか救済してほしい」と訴える。被害者の中には、新車を購入したばかりの新人バスガイドもおり、ショックで泣く姿も見られたという。  川沿いの一軒家で暮らす嘉数仁正さん(60)も、軽自動車二台が水につかり使い物にならなくなった。生まれも育ちも安里という嘉数さん。こんな水害は台風でも経験がないと語り、「蔡温橋の改修工事が原因だ」と指摘する。  「工事で川に鉄を打ち込んだ。水の流れが悪くなるのは誰の目にも明らかだ」  一方、土砂崩れの懸念から避難指示が出された長田のマンション。直下のマンション建設工事が急ピッチで進み、最大約一センチのずれを起こした擁壁が見えなくなっているほどだ。  工事現場の向かいにある保育園の保育士は「むしろ建物があるほうが地盤が安定すると聞いている。早く工事を進めてほしい」と歓迎する。  マンション住民の照屋里美さん(29)は「あの時、なぜ避難しなければならなかったのか」と一カ月を振り返り、言った。「雨が降ると急に不安になる」。被災した人たちの心はなお晴れない。


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