1.台風9号、林業被害16億円 下仁田では山腹に亀裂
,産経新聞
RV=91.3 2007/09/12 07:51
キーワード:村,温泉,収穫,ナシ
台風9号の影響で、県内各地の農林業被害が深刻となっている。11日午前9時現在のまとめで、林業の被害額は約16億円に上り、農業ではコンニャクの栽培面積の半分近くが被害を受けた。11日は午後を中心に雨が降り続き、下仁田町では山腹に亀裂が見つかり、24時間態勢で警戒に当たっている。復旧作業が進む南牧村でも、一部住民がいまだに孤立状態となっている。
県農政課によると、9日現在でコンニャクは渋川市や神流町などで496ヘクタールの被害が出た。ナシでは栽培面積(144.4ヘクタール)の約67%に当たる96.9ヘクタールが被害を受け、高崎市や安中市でも収穫期を迎えた果実の5、6%が落下するなどした。ナスは館林市や吉井町などで120.2ヘクタールが影響を受け、果実に傷が入るなどした。
水稲は132.2ヘクタールで稲穂が倒れるなどした。高崎市では8ヘクタールで冠水、吉井町の0.5ヘクタールでは土砂が流入し、壊滅的被害が出た。同課では被害はさらに拡大する可能性もあるとしている。
また、林業被害も大きく、県森林保全課によると、林地で土砂崩れや倒木が計64カ所で発生し、約12億8000万円の被害が出た。
被害の中心は甘楽町や下仁田町など西毛地域で、林道でも土砂崩れや崩落が計98カ所で起き、林業全体の被害総額は約15億8000万円となった。
県河川課によると、孤立状態が続く南牧村星尾地区で11日午後7時までの24時間降水量が26ミリを記録した。下仁田町でも同降水量が20ミリ前後となり、同町中心部にある大崩山の中腹西側に亀裂が2カ所見つかった。
同町によると、亀裂は同日朝に地元住民が見つけた。現状では崩落の危険性はないとして、ふもとにある青倉、川井両地区の住民に避難を呼びかけていない。ただ、同町は消防や警察と協力して24時間態勢で警戒に当たっている。住民には防災無線を使って状況を伝えた。
また、県道路企画管理課によると、安中市松井田町坂本の霧積温泉につながる県道で、片側車線が仮復旧した。南牧村の星尾地区につながる県道も同日に片側が復旧し、孤立が解消。同村大塩沢地区につながる県道も14日には仮復旧する。11日には、孤立状態が続く同村などへの支援を行う県の現地対策本部が開かれ、同村や甘楽町で道路や河川の被害が約13億円に上ると報告された。被害額はさらに増える可能性もある。
同村では県道と村道計2本を除き、仮復旧が終了。孤立は11日午後8時現在で40世帯100人で、74世帯で断水も続いている。県消防防災課によると、富岡市内で避難勧告が続く1世帯2人を含め、19世帯43人が避難を継続している。
|