2.住民不安な一夜 3万人に避難勧告 東北大雨
,河北新報
RV=122.8 2007/09/18 14:19
キーワード:秋田,温泉,北秋田,青森,八戸
秋雨前線と台風11号による大雨は、東北北部に大きな被害をもたらした。18日午前までに雨は弱まったが、青森、岩手、秋田の3県で計3万人を超える住民に避難指示や勧告が出され、住民は不安な一夜を過ごした。河川はなお増水しており、各地で警戒が続いている。
米代川に沿って市街地が広がる秋田県能代市二ツ井町。二ツ井町総合体育館には住民約800人が避難した。「家を出るとき、堤防の約70センチ下まで水が来ていた」と無職の女性(77)。配られた朝食を口にして、ようやく落ち着きを取り戻した様子だった。
秋田県内では18日午前10時半現在、2万4148人に避難指示・勧告が出ている。北秋田市では羽根山沢川があふれて橋が通行止めになった影響で、羽立地区の16世帯28人が孤立。阿仁前田地区でも特別養護老人ホーム「森泉荘」の入所者ら32世帯76人が孤立している。
仙北市の玉川温泉でも、宿泊客916人らが施設に足止めされた。秋田内陸線の上桧木内駅では、乗客乗員21人が急行の車内で一夜を明かした。
岩手県では盛岡市、奥州市など11市町村で計3495世帯に避難勧告が出された。青森県では、これまでに八戸市、三戸町、南部町で42世帯78人に避難勧告が出た。
岩手県西和賀町沢内では和賀川に架かる長さ30メートルの桐沢橋が17日夜、流木によって橋脚が折れて全壊した。土砂崩れや冠水により各地の道路網が寸断されている。
鉄道は、JR秋田新幹線が安全点検のため終日運休に。不通になっていた東北線の北上―盛岡間は昼すぎに運転再開の見込みだが、北上、花輪、釜石、山田、岩泉の各線が運休。奥羽線の秋田―大曲間も終日運休が決まった。いわて銀河鉄道や三陸鉄道でも区間運休が相次いだ。
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