平成19年の風水害 今回の注目記事 2007/09/19 00:00〜2007/09/20 00:00

Yahoo!ニューストピックス: 「平成19年の風水害」
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3.大雨:つめ跡深く、住民に疲れ 家屋、農地に大きな被害(その1) /秋田 ,毎日新聞
RV=123.4 2007/09/19 13:06
キーワード:秋田,北秋田,温泉,収穫

県北を中心に続いた大雨は大きなつめ跡を残し、18日午後降りやんだ。県内では避難所で1人が死亡、1人が行方不明となっているほか、家屋や農地などに多大な被害が出た。住民らは同日、疲れ切った表情で浸水した自宅の後片づけなどに追われた。  ◇2階まで水没−−能代市二ツ井町小繋  住宅や旅館、飲食店などが濁流に沈むなどの被害が相次いだ能代市二ツ井町小繋地区。アルミサッシ製造販売業を営む田村勤さん(59)は18日午後、家族や従業員ら総出で泥にまみれた家屋の後片付けに追われた。  「まさかここまで浸水するとは思わなかった」と、田村さんは浸水した住宅の散乱ぶりにショックを隠せない。米代川のはんらんに備え、過去の水害では浸水することがなかった1階の部屋に畳や家財道具をまとめたが、2階まで水没。冷蔵庫や机が横倒しになった部屋で「こんな経験は初めてだ」と話した。  冠水した水田を見回る農家に人たちは「収穫が期待できない」と、濁流に飲み込まれた水田を前にがっくり。中には近くの資材倉庫から流出したタイヤが散乱する水田もあり、ため息まじりに除去作業に追われる光景も見られた。  水位の低下とともに川沿いは流木や枝葉、ビニールなどのごみの散乱も目立ち始めており、豪雨のツメ跡は予想をはるかに上回る規模となるものとみられる。【田村彦志】  ◇孤立集落、相次ぐ 9月の1日降水量、24カ所で最多更新  県災害対策本部によると、県内全域に出されていた大雨・洪水警報と土砂災害警報は18日午前にはほぼ解除されたが、同日午後7時現在、能代山本、本荘由利、北秋鹿角の3地域は引き続き、洪水警戒情報が出されたままとなっている。避難指示・勧告はすべて解除されたが、鹿角市の1世帯7人、北秋田市の1世帯2人、能代市二ツ井の420人など5市町計431人が自主避難を続けた。能代市では、コンビニエンスストア「ローソン」が飲料水1000本と菓子パン2000個を無償提供し、みちのくコカコーラが協定に基づき、お茶1600本を提供、北秋田市では日清食品が即席めん1000個を無償提供するなどした。  秋田地方気象台によると、この雨の影響で、県内10地点でおおむね17日午前3時からの24時間降水量がこれまでの記録を更新し、仙北市鎧畑の245ミリをはじめ▽同市桧木内240ミリ▽北秋田市比立内225ミリ――などとなった。またこの3カ所を含む24カ所で9月における1日の降水量の最多記録を更新した。  またこの影響で、秋田新幹線が終日運休、在来線の花輪線、北上線と奥羽線の一部が終日運休した。JR秋田支社によると、在来線の運休は上下計150本。また寝台特急「日本海」や「あけぼの」の計6本も運休となった。  孤立する集落も相次ぎ、北秋田市羽立地区で市道羽山沢線羽立橋の全面通行止めにより16世帯28人が孤立したのをはじめ、同市前田地区32世帯76人や仙北市玉川温泉地区の宿泊客4人が一時孤立、足止めされ、大仙市では、協和川原地区など3地区で計24世帯112人が孤立し、ボートで往来するなどの対応をとったが、いずれも午後までに解消された。北秋田市内では、断水や停電の被害もあった。【百武信幸】  ◇濁水、玄関先まで 「一睡もできなかった」−−大館市横岩地区  大雨に見舞われた県北地区では住民らが自宅の片づけなどに追われた。  大館市中心部から東約10キロの横岩地区。米代川右岸に位置し、地区を走る市道を挟んで46戸が密集する。米代川までは約50〜100メートル。普段の川幅は約100メートルだが同日は300メートルほどに広がっていた。  工務店経営、工藤梅雄さん(68)は5人暮らしだが、市の避難勧告を受け、祖母と梅雄さん夫婦の3人が近くの横岩会館へ避難。水は市道を越えて川岸から約100メートル離れた玄関先まで押し寄せた。  工藤さんは18日、「水が上がったことは2回あるが、避難勧告が出たのは初めて」と言いながら、庭先に埋設していた地下水の揚水ポンプのボックス(横1メートル、縦60センチ)のエンジンの取り替え作業に汗を流した。作業を終え、復旧を確認するとホッとした様子で「今晩は雨がやむことを祈るだけ」と話した。  また、大工の虻川繁さん(56)は自宅前の畑(2000平方メートル)が浸水。自家用の枝豆やネギなどが水に浸った。虻川さん一家は勧告が出たが、小高い位置に自宅があり、避難しなかった。国土交通省能代河川国道事務所のホームページを見ながら水位状況データを確認。外へ出て浸水状況も見ながらを自宅で警戒にあたった。「ここは浸水の常襲地区で、一睡もできなかった」と言い眠い目をこすっていた。  同市旧合川地区の市立大野岱ハイランド体育館にはピーク時の18日午前2時ごろ、約300人が避難した。木戸石集落の佐藤征太郎委員長(63)は「こんな水害は1972年以来だが、避難したのは初めて。とにかく早く水が引いてくれることを願うだけ」と言いながら、市が用意したおにぎりなどの食事の用意に懸命だった。一家6人で避難したという女性(93)は「一睡もできなかった。早く帰りたい」と言いながらおにぎりを食べていた。【村川幸夫】 9月19日朝刊


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