平成19年の風水害 今回の注目記事 2007/10/01 00:00〜2007/10/02 00:00

Yahoo!ニューストピックス: 「平成19年の風水害」
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1.修復滑り込みセーフ 豪雨被害1週間の突貫工事 秋田 ,河北新報
RV=155.6 2007/10/01 06:12
キーワード:秋田,北秋田,温泉,旅館,知事,玉川,阿仁前田

 「秋田わか杉国体」は開幕直前の9月17日、秋田県北部を襲った豪雨で、競技施設や選手らの宿泊施設、会場へ向かう道路などが大きな被害を受け、一部競技で開催が危ぶまれた。県は「開幕までの復旧」を掲げ、県内各地で約1週間の突貫工事を実施。施設修復が間に合い、無事に初日を迎えた大会関係者には安堵(あんど)が広がった。  30日、カヌー競技の初日が行われた仙北市田沢湖の玉川。熱戦の舞台は水量が多いものの、2週間前の濁流がうそのように清流が激しく水しぶきを上げた。豪雨は、両岸に配置した巨石や袋詰め採石、支柱など競技に不可欠な障害物をほとんど押し流した。壊滅的な打撃に多くの関係者が「本番には間に合わないのでは」と頭を抱えた。  玉川で練習を積んだ地元チームにも悩みが生まれた。「修復できても、完全にマスターしたコースが別物になる。競技への影響は避けられそうにない」 <知事が号令>  「何とか開幕までに修復させろ」。寺田典城知事の号令が掛かり、復旧工事は猛スピードで進んだ。連日、朝5時から夜10時までの突貫工事。多数の重機が投入され、わずか1週間で仕上げた。  「完全な元通りとは行かないが、最大限の努力はした」と県の担当者。「豪雨があと数日遅かったら、開催は難しかったかもしれない」と冷や汗をぬぐった。  豪雨で大きく被災した地域の一つ、北秋田市阿仁前田。住民の多くが避難した秋田内陸縦貫鉄道の温泉駅「クウィンス森吉」(阿仁前田駅)は、山岳縦走競技で選手らの休憩所とされていた。  近くを流れる阿仁川がはんらんし、押し寄せた泥水で機械類が故障した。施設職員らは大急ぎで土砂をかき出し、シャワー用給湯器を設置し直した。温泉利用を再開したのは28日夕。滑り込みセーフで間に合った。  山岳縦走は、世界選手権の山岳種目にないことなどを理由に、国体競技としては本大会が最後となる。県山岳連盟国体実行委員会の川野善広総務部長は「これで節目の大会をスムーズに運営できる」と笑顔を見せた。 <復興応援を>  「復旧作業に忙しく、国体どころではない」と漏らす被災住民もいるが、旅館業の男性は「せめて山岳競技の成功は祈りたい」と期待を込めた。クウィンス森吉の藤島和業務係長は「国体の選手や観戦客が、復興を応援してもらえるとありがたい」と語った。  豪雨ではこのほか、山岳の選手が泊まる同市の「森吉山荘」までの県道が、増水した小又川にえぐられ、一時通行不能に陥るなどした。  県施設調整課の工藤豊秋課長は「選手たちが国体に向けて積んだ過酷な練習に報いるため、何としても競技中止という事態は阻止したかった。間に合って良かった」と胸をなで下ろしている。


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