1.特産・新製品が続々/沖縄の産業まつり開幕,沖縄タイムス
RV=37.7 2007/10/27 12:00
キーワード:宮古,提案,サトウキビ
第31回「沖縄の産業まつり」(主催・同まつり実行委員会)は開幕初日の26日、昨年を1000人上回る5万2000人が那覇市の奥武山公園、県立武道館を訪れた。各会場では、企業や団体、個人による各地域の特産品や新製品などの展示・即売でにぎわった。新商品や新技術の紹介の場となった県立武道館アリーナ棟では、製造業や健康食品関連企業、研究機関など222の企業や団体が出展。企画開発中の事業や市場に売り出す前の商品などが並べられ、担当者が熱心に商品・企画をアピールした。新たな魅力 県内のデザイナーや工芸家などが連携し、沖縄の素材を使ったものづくりの在り方を提案する県の沖縄デザイン戦略構築促進事業は、1年間の市場調査の成果を初出展。「王朝」「文化」「自然」をテーマに、沖縄の紅型や伝統工芸から得たモチーフを使い、暮らしに溶け込む雑貨や衣服のデザインを提案した。 事務局を務める沖縄産業計画の奥住英二氏は「県内の才能あるデザイナーや工芸家らが力を発揮し、新たな産業として確立することもこの事業の責任。かりゆしウエアにとどまらない、沖縄新工芸の可能性を伝えたい」と話した。 商品の買い付けに訪れた通信販売業のフェリシモ経営企画部の上野友紀課長代理は「通販で売る場合には、商品のコンセプトが物語として伝えられるかがポイント。沖縄の文化的背景に新しいデザインが加わった商品はとても魅力的」と評価した。身近な商品 昨年に続き、2回目の出展となる琉球エステ・スパ研究会。県内のエステ、スパスクールで学ぶ学生らが足と手の無料マッサージを提供している。村木実由紀さん(37)=那覇市=は「スパが好きでいろんな所で体験しているが、学生とは思えない技術に驚いた。沖縄のスパのファンがきっと増える」と期待した。 ベンチャーや中小企業の出展をサポートする県産業振興公社のブースには21社が参加。企業名や商品の認知度が低い中小企業にとって、同まつりは消費者と事業者の両方にアピールできる絶好の場となっている。 「宮古ビデンス・ピローサ」を使った健康茶を製造する武蔵野免疫研究所は今回初めて出展した。年間10万箱売れる商品のうち、県内消費は1000箱に満たない。 同研究所の砂川丈見氏は「祭りへの出展は、身近な商品の良さを県民に知ってもらいたいため」と説明。県内のボトリング会社から商談の依頼があり、県内の販路拡大への道が開けそうだと喜んだ。事例一堂に 「産学官技術シーズ展」は今回初めて、農業や水産、畜産、工業など県内研究機関の代表的な研究事例が一堂に会した。 県農業研究センターは最大瞬間風速70メートルにも耐えられる立体トラス構造を利用した新型ハウスなどを紹介。 同センターの玉城麿研究員は「2003年に宮古島市に甚大な被害をもたらした台風14号を想定した。すでに実用化レベルまできている」などと説明した。 今年発足した沖縄バイオマス発見活用協議会は、バイオ燃料を作るまでのプロセスを紹介するパネルや、サトウキビなどエネルギーの原料となる資源作物などを展示。同協議会座長の上野正実琉球大学農学部教授は「バイオマスの利活用が温暖化対策に役立つと理解してほしい。多くの人が興味を持つことで、新事業につなげたい」と期待した。 産学官連携コーディネーターの伊良部忠男氏は「産学官連携の成果を披露できる場。一般の人でも分かりやすく、見て触って、体験を通して理解してもらえれば」と語った。
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