平成19年の風水害 今回の注目記事 2007/11/23 00:00〜2007/11/24 00:00

Yahoo!ニューストピックス: 「平成19年の風水害」
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3.豪雨:水害2カ月、被災者の今 前向いて、明日を見て /秋田(毎日新聞),毎日新聞
RV=59.6 2007/11/23 12:01
キーワード:北秋田,再建

 ◇比内地鶏ヒナ、新たに仕入れ/食堂閉店から一転、再開決断 県北部の豪雨水害から2カ月が過ぎた。生活再建に向けて、被災者たちが動き出している。比内地鶏1600羽を流されて失った北秋田市阿仁小渕の農家は年末、新たにヒナ1000羽を仕入れて再起をかける。同市阿仁前田の「前田駅前商店街」で食堂を閉店する覚悟を決めていた夫婦は一転、再開を決断した。来週にも再びのれんを掛ける。【岡田悟】 「これからヒナも来るし、頑張るしかない」――。北秋田市阿仁小渕で比内地鶏の成鳥とヒナ計約1600羽を育て、水害でそのほとんどを失った柳谷喜美男さん(62)とヨネ子さん(57)の夫婦。9月17日午後、阿仁川がはんらんし、ビニールハウスを襲った。地鶏をあきらめ避難するのがやっとだった。水が引いて戻ると、四つのビニールハウスのうち1棟が倒壊、もう1棟の一部も壊れた。原形をとどめたハウス内でも地面をヘドロ状の泥が覆い、埋もれた地鶏の死骸(しがい)を掘り返す作業に追われた。10月に発覚した「比内鶏」社による表示偽装事件がむなしさに追い打ちをかけた。喜美男さんは「私はマニュアルに沿ってきちんと本物を育ててきたのに」と憤る。 だが、倒れず残ったハウスが、2人にもう一度気力を奮い立たせるとりでとなった。「まだ建っているハウスもある。全滅していたら何もできなかっただろう」とヨネ子さん。喜美男さんも「天災でだめになっただけ。やめようとは思わなかった」という。12月末に農協からヒナ1000羽を新たに仕入れ、育てるつもりだ。今も泥が覆い、飼料や機材などが散乱するハウス1棟の内部を整理し、電灯や仕切り板を配置してヒナを迎える態勢を整える。 同市阿仁前田の「前田駅前商店街」で、二十数年前から「お食事処 たんぽぽ」を営む村形兵造さん(78)と文子さん(73)の夫婦。2メートル近く浸水し、座敷の畳や壁が使えなくなった。被災直後はショックのあまり「改装には金がかかる」と閉店を決意したが、「気持ちが落ち着いてきて、頑張ってみようという気になった」(兵造さん)。食器の多くを流され失ったが、なじみの客が皿や茶わんを持ち寄ってくれた。壁はすでに張り替え、あとは座敷に畳を入れてガスや換気を整備するだけ。 水害の時は自分で2階に避難したという店のマスコット、猫の「心」(雄、7カ月)も、再開がうれしいのか、ご機嫌の様子。ラーメンやギョーザを中心に、ホルモンの煮込みなど従来のメニューに加え、「キノコを使った豆腐のあんかけも新たに作りたい」と笑顔の文子さん。前向きな心が戻ってきた。11月23日朝刊


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