平成19年の風水害 今回の注目記事 2007/11/28 00:00〜2007/11/29 00:00

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2.荒れゆく神島の森 文化庁調査「回復の手助けを」(和歌山)(紀伊民報),紀伊民報
RV=42.6 2007/11/28 17:03
キーワード:文化財,ラ,保存

 田辺湾に浮かぶ国指定天然記念物「神島」の森が衰弱してきている問題で、文化庁文化財部記念物課の本間暁調査官(51)が27日、神島を訪れて現状を見た。本間調査官は「森全体が荒れてきている。このまま駄目になるというわけではないが、人が少し手助けした方が早く回復するだろう」と話した。 田辺市教委は衰弱対策として「大山(おやま)」「小山(こやま)」の2つある島のうち、大山で頂上付近を覆って光を遮っている蔓(つる)植物のせん定を行う計画を立てている。そのため、現状変更の申請を文化庁に出したことから、今回の調査となった。 この日は、生物の専門家らでつくる神島調査グループの玉井済夫さん(69)=田辺市湊=をはじめ、市教委や県教委の職員が同行した。大山の頂上付近では、テイカカズラの蔓が樹木を覆い尽くしていた。参加者は「どこに行っても蔓に引っかかる。20年前の調査ではこんなことはなかった」と心配した。一方でタブノキやバクチノキなどの芽生えが見られ、自然復活への期待も持たれた。 小山の頂上付近にはテイカカズラとハカマカズラ、クズの蔓植物が繁茂。さらに荒れ地になりつつある所では、外来種のアメリカセンダングサ、ヨウシュヤマゴボウなどが侵入していることも分かった。 すでに文化庁から現状変更の許可が出ており、市教委は、せん定方法やどの程度せん定するかなどを関係者と検討して、早急に対応するという。 本間調査官は「全国的に森が衰退している島はあるが、手だてがなくそのまま見守っているのが現状。神島のように小さな島は周りの影響を受けやすい。蔓の多さには驚いた。ある程度手を掛けるのはいいと思う」と感想を述べた。 神島では、保存を訴えた南方熊楠が1934(昭和9)年に島の植生を調べて以来、タブノキを中心とした深い森から浅い森へと植生が変化してきた。これに加え、1988年から数年間、カワウの大群が大山の東端部をねぐらに利用。最も多い時には約500羽がすみ着き、おびただしい量のふんが積もった。森林の一部は荒廃し、がけの崩壊まで起こった。また、98年9月に田辺湾沖を通過して御坊市辺りに上陸した台風7号の強風によって衰弱木が倒れる被害があった。


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