1.治水安全度超える洪水 安里川はんらん
,琉球新報
RV=58.1 2007/12/17 16:05
キーワード:安里,温い,治水,補償,疑問,シミュレーション
8月の大雨で那覇市の安里川がはんらんした問題で、県土木建築部は17日午前、安里川出水解析検討委員会(委員長・津嘉山正光琉球大名誉教授、委員5人)を那覇市の沖縄レインボーホテルで開いた。検討委は「安里川の現況の治水安全度を大幅に超過する洪水だった」との調査結果をまとめた。シミュレーションを実施した調査機関は、蔡温橋の付け替え工事があったため、はんらんした面積が0・52―0・69ヘクタール増え、平均の浸水が5―7センチ深くなったと指摘した。これを受け検討委は「工事中と工事前(工事がなかった場合)とは大きくは変わらない」と結論付けた。
ただシミュレーション計算値の精度の誤差が20センチあることなどから、津嘉山委員長は「工事によって何らかの影響があったことは間違いない。だが深さや面積を定量的に断定はできない」と総括し、調査機関が示した数値自体には疑問を呈した。
県は年内にも住民説明会を開き、検討委員会での調査結果や補償について説明する予定。
あふれ始めた地点は工事があった蔡温橋から約130メートル上流の昭和橋上流右岸で、あふれ始めた時刻は8月11日午前10時9分だった。シミュレーションでは、あふれた地点、時刻のいずれも蔡温橋工事の有無による影響はなかったとしている。
4月の大雨によるはんらんシミュレーションも今会合でまとめる予定だったが、はんらん痕跡などの検証材料が少なく、シミュレーションは困難とする調査結果だった。
検討委では、はんらん当日は日雨量で約130年に一度、時間雨量で約20年に一度の確率で発生する降雨規模だったと説明。安里川の流下能力は55トンであるのに対し、発生した流水量は約110トンだった。
|