平成19年の風水害 今回の注目記事 2007/12/23 00:00〜2007/12/24 00:00

Yahoo!ニューストピックス: 「平成19年の風水害」
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2.首まで水 車浮く/報得川はんらん女児死亡 ,沖縄タイムス
RV=78.2 2007/12/23 12:00
キーワード:沙,姫,サトウキビ,糸満,相談,八重,瀬

【八重瀬】「激しい冠水で車が浮いた」。二十一日の大雨で、八重瀬町東風平の報得川がはんらんし、豊見城市立座安小一年瀬長沙姫ちゃん(7)は一気に濁流にのみ込まれた。現場一帯は低地になっており、南城市では一時間に約一一〇ミリの「猛烈な雨」を記録するなど、周辺地域は視界が悪くなるほどの集中豪雨に見舞われた。事故の時間帯、現場では何があったのか。  二十二日午前、沙姫ちゃんの遺体は現場から六キロ離れた糸満市内で発見された。同日午後の事故現場には、花束やお菓子、ジュースなどが供えられており、事故の痛ましさを物語っていた。  事故発生は二十一日午後七時五十分ごろ。その五十分ほど前、事故現場から約十メートル離れた場所で冠水のため車がストップし、避難を余儀なくされた女性(36)は「車の中にまで水が入り込み、座ったまま腰の方までつかった。慌てて車から飛び出すと、首の下は水だった」と話す。その時点で現場の冠水は一メートル以上あったとみられる。  難は逃れたものの、恐怖を感じパニックに陥った女性の目に自分の車が冠水で浮かぶ光景が飛び込んだ。「悪天候で視界も良くなく、急に水かさが増えたと気付いた時には遅かった」という。  同じころ、現場に近い南城市糸数で一時間雨量一一〇ミリを記録している。  沙姫ちゃんが乗った車も座席が半分までぬれ、ハンドルにまで泥がこびりついており大量の水が車内に入ったようだ。  関係者によると、沙姫ちゃんの乗った車と川は約十五メートル離れていた。  現場の橋から川上流に向かって右側はサトウキビ畑があるが、増水の影響で倒れた状態だった。しかし、さらに上流はニラ畑があり、土ごと流されずに済んでいた。この一帯で、水かさが増え、サトウキビをのみ込むように下流に向かっていたことがうかがえる。  事故が発生した町道付近は、周囲の地形に比べ、くぼんでおり、水がたまりやすい形状になっている。川の護岸は、車が停止した橋付近から上流約五百メートルにわたり、大きくS字にカーブする。  河川工学が専門の小松利光・九州大学大学院工学研究院教授は「一般論としてカーブしていれば流れは悪くなり、その結果、水かさが増す」と話す。  だが、小松教授は「川はもともと蛇行するもの。蛇行することが悪いとはいえない。一時間に一一〇ミリというのは異常な雨であり、河川防災の常識を超えている」と話している。 突然の別れ 涙流す遺族 女児通夜しめやかに  【豊見城】大雨で増水した報得川で流され亡くなった瀬長沙姫ちゃん(7)の通夜が二十二日、市座安の自宅でしめやかに営まれた。  午後一時ごろ母親の春菜さん(32)ら家族と、沙姫ちゃんを乗せた車が糸満署から自宅に到着。親類をはじめ座安小や学童クラブ関係者らが次々と弔問に訪れ、突然の別れを惜しんだ。  叔母の新垣利奈さんは「優しく、まじめでとても友達の多い子だった。本当に残念でならない」と涙声で語った。  告別式は、二十三日午後四時から南風原町津嘉山の拓商セレモニー会館で行われる。      ◇     ◇     ◇      平和祈念公園も冠水/仮安置室の遺骨 外へ  大雨の影響で、糸満市の平和祈念公園も冠水し、管理事務所の職員や飲食店の店員らが二十二日朝から清掃活動に追われた。  管理事務所内の仮安置室が水浸しになり、遺骨や折り鶴などは作業を終える昼すぎまで外に置かれた。  園内の商店などでは、冷蔵庫や販売機の故障が相次ぎ、店員らは「二、三日仕事ができない」と声を落とした。  伊保春孝さん(65)の経営する商店では、二十一日の大雨で床が水浸しになり、店頭のベンチは約百メートル先まで流された。管理事務所や商店は園内入り口から低い所にあり、伊保さんは「県は排水工事を二、三回したが、今のままでは大雨に対処できない」と困惑顔。過去にも大雨の影響で店内が冠水した際に県に相談。しかし、「自然災害だから補償はないと言われたが、家賃を払っているので対応してほしい」と語った。  管理事務所によると、南部土木事務所が調査設計に入っているという。


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