1.<広島・廿日市市>宮島に「入島税」…厳島神社保護で検討(毎日新聞),毎日新聞
RV=92.8 2007/12/31 02:32
キーワード:村,遺産,税,条例
広島県廿日市市は08年度に、世界遺産・厳島神社がある宮島(厳島)の文化財保護、環境保全の費用にあてる「法定外目的税」導入の検討を始める。“入島税”ともいえ、真野(しんの)勝弘市長は「財政が厳しい事情もあり、世界遺産の島を守るために必要な財源。年間約300万人が訪れる世界的な観光地にふさわしい整備の財源にしたい」と話している。 想定する使い道は、厳島神社など文化財の保護と、森林や海岸などの環境保全など。4月から徴収方法や税額、課税対象者の範囲などの課題を約3カ月かけて整理。学者や宮島の住民代表らで構成する第三者機関に諮り、導入時期を決める。 04年9月の台風で、厳島神社は雅楽を演奏する国宝・左楽房(さがくぼう)が倒壊し、祓殿(はらいでん)の屋根などが吹き飛んだ。この被害を含め、04年度までの10年間で地元が負担した文化財保護費は約2億円。また、96年の世界遺産登録時、神社前面の海域と背景の天然林も「一体として文化的景観を形成している」として一括指定された事情も、税導入検討に拍車をかけた。 外国人観光客の増加などで、07年の宮島訪問者は97年以来の300万人超えの見込み。一律10円の徴収でも3000万円を確保でき、一般会計の予算規模が400億円弱(07年度当初)の市にとっては大きい。宮島へ渡る公共交通は、対岸の宮島口か広島港からの旅客船しかなく、船賃に上乗せする方法などが考えられる。 「入島税」は、沖縄県伊是名(いぜな)村(伊是名島)が05年度から導入した「環境協力税」(入島1回100円)の例がある。【宇城昇】 ◇法定外目的税 地方税の一つで、地方税法で定められた税以外に、自治体が独自に条例を制定し徴収できる。使途は限定され、事前に総務相の同意を得る必要がある。総務省によると、12月現在、29都道府県、4市町村が「産業廃棄物税」「宿泊税」「環境協力税」などの名称で導入している。
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