台風４号が１２日午前、近畿地方に接近したことで、県内各地も大雨に見舞われ、住宅の床下浸水や土砂崩れの被害が相次ぎ、大津市では落雷の影響で、約１３４０世帯が約２時間にわたって停電した。彦根地方気象台によると、大津市は午前５時から１時間の雨量が４３ミリを記録。１１日午前３時から１２日正午までの同市の総雨量（９５・５ミリ）の半分近くを占めるなど、猛烈な雨が降った。大津市内では１２日早朝、南部を中心に激しい雨となり、雷鳴がとどろいた。県などによると、同日午前５時２０分ごろ、上田上芝原町の電柱変圧器に落雷があり、大津市里や同市枝など周辺の計約１３４０世帯が停電したため、関西電力滋賀支店が約２時間後に復旧させた。しかし、早朝の生活時間帯に重なり、同支店によると、約６０件の苦情電話が寄せられたという。また、午前６時５０分ごろには、大津市皇子が丘のＪＲ大津京駅高架下の市道が冠水し、乗用車とトラックの計２台が水没した。乗用車は水没した道路を走行して脱出したが、トラックは動けなくなり、約１時間後にレッカー車が出動し、移動させた。トラックに乗っていた男性運転手にけがはなかった。このほかにも、日野町鳥居平の県道では、道路のり面が崩落。この影響で、路肩に長さ約５メートルの亀裂が入り、片側通行止めになった。大津市梅林などでは、住宅計６戸が床下浸水する被害が出た。彦根地方気象台によると、降り始めの１１日午前３時から１２日正午までの雨量は、９５・５ミリとなった大津市のほか、東近江市で６５・５ミリ、長浜市で５６ミリなど、いずれも激しい雨が続いた。同地方気象台は「台風は通過したが、大気の状態が不安定で局地的に大雨になるおそれがある」とし、引き続き土砂災害に警戒するよう呼びかけている。