パネルディスカッション1
「ルミナリエの光と影」
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●コーディネーター | 高田 公理 | 武庫川女子大学教授 |
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●パネリスト | 藤田 正 | 大阪女子大学教授 |
「神戸イメージの視点から」
A 震災前の神戸の基本イメージは「お洒落なオトナのマチ」
B ルミナリエについて
- “暖かさ”イメージの低下・・・“祈り”を表現するルミナリエ
“暖かさ”イメージがポジティブな全体イメージ形成において最も重要なイメージ
・一年目・・・ | “光”のない被災生活/「イイナア光は・・・」「ホットシタ顔ト顔」/連帯感 |
・二年目・・・ | “ウチとソト”のギャップ/「一度ハ見テミナヨ」「マダ行ッテナイ」
日常性の見直し「客こない、儲からへん」 |
・三年目・・・ | “祈り”の低下(ルミナリエはもともとカソリックの儀式)
「今年モキレイヤナ」「コレダケカ」/震災を乗り越える神戸の“祈り”をみんなに。 |
- 集まった人々の変化(ソトからの人々の増加)・・・マチ性の復活。
・一年目は被災者中心。だが、三年目には被災地域は減り、非被災地域からの人々増加。(約100万人増加)。
「神戸の人・・・今年ハモウエエワ」「奈良の人・・・今年ハイッテミヨカ」。
つまりルミナリエの意味が変質した。/ルミナリエ・コンセプトの再検討。
・神戸が心理的に遠いマチではなくなった。マチ性(マチは“ウチとソト”の交流を元に成立する)の第一歩を神戸が復活させた。/神戸にとってルミナリエとは何か。
・ルミナリエ・クリスマス・お正月・1月17日・春の祭り・神戸祭り/時系列的な位置付けを。
- トマリ空間の創造・・・より広い地域を巻き込む。
・交流はトマリ空間においてなされる。が、果たして被災地の人々と非被災地の人々の交流がルミナリエにおいて実現したか、疑問。ゆえに交流の場が必要(ホンマニ地震アッタノ?)
・商いもまた交流である。が、ルミナリエ会場を少し外れると買い物客はほとんどいない。ゆえに、神戸商品を買える場を(ルミナリエに来た証拠買うてや)。
・ルミナリエに参集している人々は、ただ歩く(ガードマンの誘導・・「ハイ、真っ直ぐ前を向いて歩いて」)。交換・交流・売買に必要なトマリ行動を実現しにくい設計。が、観光客は自分の行動を買い物などの交流で確認したいと願う(ホテル跡、中華街の賑わい)。新たなトマリ空間の創造を。
- 鎮魂シンボルの創造(例)・・・コミュニケーションは共通の夢を抱くことで成立する。
・鎮魂宮参り・・・「一の宮から八の宮」
・日本の火と光・・・「駒ケ林の左義長」との同時開催。
・神戸の花・アジサイ、兵庫県の花・ノジギク、の献花。
・ボランティア団体との共催。ルミナリエ会場横の通行止めした道路の利用。
・授産所「クッキー」「マケナイ象」などの販売。
C コミュニティ・イメージの担い手の中心は多くの場合、中高年層
・この点にも配慮した企画を。これを実現するには多くの人の協力が必要。
・ここから生まれる“暖かく、お洒落なオトナ”イメージが震災後の神戸イメージではなかろうか。
乞う検討。
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●パネリスト | 太田 敏郎 | 神戸商工会議所 副会頭 |
「ルミナリエの光と影」
- 神戸ルミナリエ開催の動機
■ 鎮魂と復興
■ 再生への夢と希望の光
- ルミナリエの語源、起源
■ 種草のためのイルミネーション (イタリア南部)
- 昨年の神戸ルミナリエの状況と成果
■ 473万人の来場者
■ 日本一の規模
- 神戸ルミナリエに対する意見
■ 旧居留地の協力
■ 商店街のかかえる問題点
■ 被災者達の想い
- 神戸ルミナリエの持つ意義と今後への期待と抱負
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●パネリスト | 島田 誠 | 海文堂書店 社長 |
「ルミナリエその光と影」
- 祝祭としてのルミナリエ
■ 儀礼としての祭り 神への祈り、自然への畏敬そして感謝
■ 祝典としての祭り 神秘と不思議
■ 観光としての祭り 切り花あるいは造花あるいは幻想
- シシリー島の山岳都市エンナでルミナリエの原型を見た
■ 素朴で暖かい村祭り
■ そこには歌があり、笑いがあり、踊りがあり
- ルミナリエのコストパフォーマンス
■ 祭りは経済効果で測定できるか
■ 物販にとってのルミナリエ、飲食にとってのルミナリエ
■ 経済にとってのルミナリエ
- 1995年にそれは始まった
■ 震災の年、打ちひしがれた私たちの心の灯したルミナリエの光明
その意味を深く受け止めたい
それは、鎮魂と再生への祈り
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