Memorial ConferenceVあなたの体験 DRS
Memorial Conference in Kobe V 〜 あなたの体験

人生の先輩から次の世代へのメッセージ
松本 武久

 私は1940年8月大阪桃谷生れ、育ちは旭区1940年から10年間に戦争疎開今流で避難民、その他色々と体験したのです。そして1994年1月にあの阪神淡路大震災にあったのです。職業はタクシー乗務員でした。今から思い出せば、直下型大地震を体験して何故か生きている。殆どの人は眠って気がつくと家がこわれていたのでしょうね。私はおきていて、一部始終こわれていくのを見ていたのです。1月17日午前5時30分頃からあの地震が伝わって来たのです。海鳴地鳴と続き、上下の微動に悩まされ逃げることが出来なかった。その時にピカリと光って家の半分が山側へ、残りは海側へと割れて飛んだのです。私もテレビと一緒に2m程窓ぎわへ飛ばされてアッと気を失ったのです。会社の同僚が大声で来てくれたお陰で気がつき助かりました。2階が1階になっていたのです。同僚の奥様は、死体で発見されました。会社は阪神大石の海側です。私は人災と天災で死の淵を歩きました。
 メッセージとして、知る事とわかる事の違いを自分自身が汗を流し、体験して下さい。今の若い人釦戦争に負けるな。ふり廻されるな。あわれみを多く求めるな。机上論空論が多い。今の世の中注意して自分自身の手で幸せをつかんで下さい。現在も脳内出血で倒れた後遺症で2年間苦しんでいる身障者です。やっと字が書けるようになったので報告します。


Research Center for Disaster Reduction Systems, DPRI, Kyoto University
京都大学防災研究所巨大災害研究センター