Memorial Conference/VI/わたしの「災害ボランティア」体験 | ![]() |
神戸市西区 荒井 勣 私は、平成3年から青少年の健全育成ボランティアの実践として、ひまわりの花いっぱい運動をしていました。毎夏、大輪のひまわりに元気をもらっていた私は、このひまわりに明るい町づくりを委ねる事にしました。 震災当時、県の「心豊かな人づくり五百人委員会」で会員として受講していた私は、仲間に声かけして「ひまわりの夢企画」というXグループを立ち上げ、約700リットル、350万粒の種や苗を被災地に配布しました。もちろん、他のグループにもドサリ、ドサリと配布を依頼しました。希望者多数に郵送もしました。 やがて夏。仮設に、公園に、更地と化した住宅跡地に、沢山のひまわりの大輪が咲き、秋になると山のように礼状が届きました。「勇気づけられた」、「心癒された」etc. その礼状と写真に心打たれた私は、「幸せの黄色いひまわり展」という小さな展覧会を開きました。来場した沢山の人が感動の言葉を残してくれました。その一言、一言がボランティアに疲れた私の心を癒してくれました。 その中に少し目線の異なった人がいました。じっくりと展示を見てから「園芸セラピー実践だ」と言われたのが、防災心理学を研究している林春男先生と立木茂雄先生でした。当時「セラピーって?」と無知の私は聞き返したのを今も覚えています。「人の為に」なんて考えてもいませんでしたが、何か胸のつかえが取れたようで目頭が熱くなり、何度も何度も握手を求めていました。 以来6年。復興のかけ声の元、多くの人の笑い声に支えられ、種々のひまわりを被災地に咲かせ続けています。 年明けの1月17日、神戸21世紀復興記念感謝事業が始まります。感謝の花として、ひまわりが選ばれ、ポートアイランドの仮設跡地に巨大なひまわり畑をつくる計画があります。もちろん、私たちが沢山の種を提供します。復興文化のひとつとして「ひまわり文化」を残すことが私たちの夢です。
夜毎の一品のおかず提供、温泉たまご1万個の配布、住民と一緒にひまわりの種の袋詰め、勇気付けのひまわり温泉放送等。たった一つの自慢、公立小中学校内で風呂の提供は、自衛隊以外、私たちだけ?「検証を!」 以上、いろいろ書きましたが、書き切れません。 実は、震災前から書いていた、月一話のエッセイ「笑いのセールスマン」の第一話と二話を震災後、自費出版しました。 多田野文(ただのぶん)は、私のペンネームで、登場するA君は、私自身です。突然起こった地震に、私自身と町がどう変化していったかの6年間の車のセールスマンがボランティアに走った記録です。 理解出来ぬことは、この本から読み取って頂けたらと思います。 利用後は、京都大学の防災研究所へ参考資料として送ります。 |