Memorial ConferenceVIわたしの「災害ボランティア」体験 DRS
Memorial Conference in Kobe VI 〜 わたしの「災害ボランティア」体験

わたしの「災害ボランティア」
神戸市東灘区 山崎 主知子

ふれあい食事の会
 高齢組合員とボランティア組合員48名、コープこうべ生活協同組合の支援を受けて、毎月1回会食とふれあいタイムの交流をすすめている。阪神・淡路大震災のあの日が定例日であった。前日に準備した食材や食器が床に飛び散り、悲しい思いをした。
とん汁の炊き出し
 淡路島三原町農業研究グループから炊き出しを受け、コープ深江店店頭で1,600人の被災者に暖かいとん汁がふるまわれた。「ごちそうさん」「よろしゅうおあがり」と言葉の交流にも熱い思いが通い合った。
深江北夏まつり
 コープこうべ青少年活動だった盆おどりを地域の夏まつりとして、夜間開放の小学校校庭で開催されるようになって5年目、各自治会活動も休止の中、開催が危ぶまれた。この夏まつりには地域住民のコミュニティの場として役立って欲しいとの願いがあり、継続したい思いが強まる日々、多くのボランティア出演者の中から河内音頭、初音家秀若一門との出会いがあった。そして夏「震災犠牲者供養−河内音頭大会」が実現し、10,000人の住民が校庭を埋めた。「上を向いて歩こう 涙がこぼれないように・・・」とみんなが歌った。そして泣いた。
仮設住宅訪問
 小物の手芸作り、話し相手、カラオケなど盆おどりの練習も始まり、多忙な訪問日だった。地蔵盆の夜、2日続いた小さな広場のちょうちんの灯り、喜びの輪、おどりの輪、初めて見る笑顔、とてもすてきだった。
ふれあいサロン
 まちの医院の待合室、通院患者やその家族、近隣住民など手芸を楽しみ、励まし合った。医院の支援のおでん大会が開催され、暖かい思いやりの味がみんなの胸にしみた。
講演活動
 兵庫県こころ豊かな人づくり500人委員会の第3期研修生として、2年間の成果が実る直前の災害だった。同期生から「何か市民レベルで書き残そう」との呼びかけに心の底からの思いをつづった。
 「私の阪神大震災」の発刊がきっかけとなり、東京防災研究所研修会に参加の機会を得た。「地域に生きる」をテーマとして災害時の主婦のくらしや、神戸の復興状況を語り伝えた。東京都、横浜市、金沢市などの依頼を受け、防災推進の一端を担う。
 この貴重な体験は生涯忘れる事のできない有意義な活動として、私の心に残った。
ふれあい喫茶
 市営復興住宅の集会室でボランティアの手作りケーキとお茶を楽しみに集う。月1回おしゃべりに花が咲き、2時間が過ぎると高齢一人暮らしの方たちは別れを惜しむ。秋の夕日を背に寂しそう。「また来月ね」
 このように地域社会にボランティア参加して40年近くになります。どの活動も私自身の心の支えとなり、時には励まされ、慰められ充実した日々を過ごしています。
 昨年、半世紀を共に生きた夫と永遠の別れがありましたが、悲しみの中にも各活動に助けられました。
 21世紀を目前にこの数々の体験を生き甲斐として、まちづくり、人づくりのために、そして何より自分のために地域に生きたいと強く思います。


Research Center for Disaster Reduction Systems, DPRI, Kyoto University
京都大学防災研究所巨大災害研究センター