Memorial Conference/VII/すまいとくらしの再建 | ![]() |
神戸市長田区 安田義子 鷹取に来たのが、震災の時でちょうど7年目だったんです。その前には、駒ケ林にいたんです。駒ヶ林というのは、たとえば向かいのおぱちやんが、「安田さ−ん」って入ってきたら、裏まで出てくるような、そんなまちだったんですが、鷹取の海運町に来た時もそれがあったんですよ。病気をしたら、隣の肉屋さんがコロッケを持ってきてくれて、お向かいさんは、おうどんを持ってきてくれて。その時に初めて、ここも、「どない?」と言うと、裏まで抜けるというか、庶民的なまちだなあと思ったんです。 子供が高校生になっていましたから、公園に行ってどうのこうのという思い出はないんですが、ここは、隣のおぱちやんも声を掛けてくれる、孤立してないなという感じを持ちました。今は、ドアを閉めてしまえば、隣は何をする人ぞっていう感じのおうちが多いですからね。隣のおばちやんから、本当の気持ちで怒られる子供たちがいないから、いろんな問題が起きると思うんです。でも、ここではそれがないな、よかったなと思ったんですね。 私は、若者がもどれるまちにしたい、と思っています。2月にこちらに戻ってきて感じたことが一つあるんです。お年寄りの後ろ姿がちょっと寂しそうなんですね。人が少ないということもあるでしょうし、道が広くなったということもあるかもしれません。お年寄りを励ますのは若者だろうし、その若者を引っ張り出すのはまた、お年寄りなんですね。まちづくり協議会の会長さんは大変だろうと思いますが、できるだけ、年代別の会合をたくさん持たれたらいいと思うんです。うちの息子もそうですが、20代、30代、40代、それぞれに考えを持っているみたいですから。 |