ワークショップ「災害を観る」は「災害を可視化する」をキーワードに防災研究の最先端を紹介する事を目的としてこれまで4回行われてきました。ワークショップでは地震や台風といった自然現象としての災害から、災害現象の理解、被害軽減対策、災害対応策、防災教育といった災害に対する社会の対応までを含めた様々な分野の試みの報告が行われています。防災は専門家の努力だけで実現するものではなく、市民一人一人の協力が不可欠である。そのためには市民や防災担当者に防災を分かりやすく、かつ体系的に紹介する事が重要であり、災害の可視化はその有力な手段です。阪神・淡路大震災以降、災害を可視化するための有力な手段としてGIS(地理情報システム)が利用されるようになっています。当初のGISの利用は被害の推定や分析といった分野に限られていましたが、ソフトウエアの充実、コンピュータシステムの高性能化に伴い災害対応や防災教育といった防災に関わるあらゆる分野でGISが利用されるようになっています。
今回のワークショップでは、近年発生した災害におけるGISを用いた災害対応支援・ハザードマップ作成の新たな試みについて知見を共有すると共に、防災におけるGISの利用について、現時点でどこまで実現しているのか、今後考えるべき課題は何かについて考えます。
日時 |
平成18年2月28日(火)・3月1日(水) |
会場 |
キャンパスプラザ京都 5階 第1講義室
京都市下京区西洞院通塩小路下ル
(JR京都駅ビル駐車場西側・京都中央郵便局西側)
TEL:075-353-9111
http://www.consortium.or.jp/campusplaza/access.html
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主催 |
京都大学防災研究所 巨大災害研究センター |
*参加無料です。 |
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2月28日(火)
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10:00-10:10 |
趣旨説明 |
京都大学防災研究所
巨大災害研究センター長 林 春男 |
10:10-11:50 |
セッション1 安全・安心とGIS |
コーディネーター:浦川 豪(京都大学防災研究所) |
・GISと空間モデルを用いたヘルスリスクの地理的視覚化 |
中谷 友樹(立命館大学) |
・犯罪発生状況の可視化と共有−犯罪発生マップから− |
島田 貴仁(科学警察研究所) |
・宇治市における安全安心マップ |
塩田 俊樹(株式会社 ワオネット) |
・一元的な危機対応を可能とする合理的な現況把握支援システムの提案−国民保護法制を例として−
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井ノ口 宗成(京都大学大学院情報学研究科 |
11:50-13:10 |
昼食 |
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13:10-14:30 |
セッション2 災害に強い土地利用とGIS |
コーディネーター 牧 紀男(京都大学防災研究所) |
・GISを活用したリアルタイム崖崩壊予測システムの開発
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稲垣 景子(横浜国立大学大学院環境情報研究院) |
・化学物質リスク評価システム(Risk Manager)の紹介 |
渡辺 博史(セントラル・コンピュータ・サービス株式会社) |
・「京都市防災マップ」市民に興味を持ってもらえるハザードマップ・デザインの立場から |
吉田 治英(株式会社GK京都)
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14:30-14:40 |
休憩 |
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14:40-16:00 |
セッション3 災害対応とGIS |
コーディネーター:田中 聡(富士常葉大学) |
・PDAを利用した緊急被害調査支援システムの構築 |
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・新潟県中越地震におけるGISを用いた罹災証明発行システムの構築 |
吉富 望(京都大学防災研究所) |
・Tsunami affected coastal area rehabilitation planning |
Prashant M. Hedao(Auroville Tsunami Relief & Rehab Project)
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16:00-17:20 |
セッション4 防災とデザイン |
コーディネーター:矢守 克也(京都大学防災研究所)
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・防災ゲーム(防災ダック、防災すごろく)
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・防災とデザインを考える 〜防災ピクトグラム研究会の10年〜 |
卜部 兼慎(株式会社GK京都) |
・ペーパークラフトを活用した防災教育 |
早川 宏(富士山安全まちづくりネット)
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3月1日(水)
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10:00-11:40 |
セッション5 被害を観る |
コーディネーター:松岡 昌志(防災科学技術研究所 EDM) |
・空および宇宙から災害を観る
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松岡 昌志(防災科学技術研究所 EDM) |
・地震の際にあなたの家・部屋はどうなるか |
目黒 公郎(東京大学生産技術研究所)
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・地震ハザードステーション J-SHIS
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藤原 広行(防災科学技術研究所) |
・インド洋地震津波災害,情報共有サイトの構築
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鈴木 進吾(京都大学大学院情報学研究科) |
11:40-12:40 |
昼食 |
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12:40-14:00 |
セッション6 参加とGIS |
コーディネーター: 立木 茂雄(同志社大学) |
・多組織・セクター連携の道具としての防災福祉GISの可能性 |
立木 茂雄(同志社大学) |
・阪神・淡路大震災”わたしたちの復興”プロジェクト |
北川 正己(株式会社 パスコ) |
・地域社会の情報通信基盤を活用した災害リスクガバナンスの戦略 |
長坂 俊成(防災科学技術研究所) |
14:00-16:00 |
セッション7 GISの新技術 |
コーディネーター:吉富 望(京都大学防災研究所) |
・GISをベースとした業務処理プロセスの可視化、共有、実行を実現するArcGISモデルビルダ |
藤春 兼久(ESRIジャパン 株式会社) |
・iフォーマットフォーラム〜その活動と今後の方向性〜 |
須藤 三十三(インクリメントP 株式会社) |
・災害時に役立つ情報共有フレームワーク;GeographyNetwork 新潟中越地震、福岡県西方沖地震での利用 |
名和 裕司(ESRIジャパン 株式会社) |
・防災情報共有のためのクロスメディアデータベースの紹介
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松浦 秀起(京都大学防災研究所) |
・コンテンツ・著作情報管理システムについて |
岩田 恭典(株式会社 ケイ・ジー・ティー) |
16:00-16:10 |
休憩 |
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16:10-17:20
| 全体パネルディスカッション |
コーディネータ |
京都大学防災研究所 | | 林 春男 |
パネリスト |
浦川 豪 |
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牧 紀男 |
田中 聡 |
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矢守 克也 |
松岡 昌志 |
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立木 茂雄 |
吉富 望 |
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17:20-17:30 |
閉会の挨拶 |
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