「第32回月例研究会」

日時:2011年7月15日(金) 13:30〜16:30
場所:有明の丘基幹的広域防災拠点 レクチャールーム2・3・4

「災害原因の科学調査(FORIN)」手法を使った東日本大震災最初の100日の検証

FORINとは "Forensic Investigations" の略です。この名称の由来は、犯罪捜査においてさまざまな科学委術が組み合わされ、真犯人が特定される過程を、災害原因の調査においても実現したいという想いの反映です。いいかえれば、FORINは、真の災害原因を明らかにするために、学際的な手法を用いて、災害原因に関する仮説を根本から厳密に調査することを目指しています。しかしFORINは「過去の失敗や過失」だけに着目しようとするものではありません。被害を未然に防ぐことができた事例や、地域に組織によって被害程度に違いが出ることについても、科学的な調査の対象として、良い実践例を蓄積し、成功要因を同定することも活動に含まれています。

たとえば、福島第1原発の問題を取り上げると、同じようなハザードに見舞われたのに事故が起きなかった福島第2原発と比較して、あるいはもっと強いハザードに見舞われたと推測される女川原発と比較することで、何が違っているのかを明らかにする方法です。
今回の震災で良かった例と良くなかった例を取り出し、それを比較して、何がその差を生み出したのかを突き止めようとするものです。よかったことは今後に取り入れ、よくなかったことは改善することで、わが国の防災力を向上させるヒントを見つけたいと思っています。

7月の研究会では、東日本大震災の最初の100日間を対象として、これまでに観察された事実あるいは、とられた対応についてみんなでFORINしたいと思います。

そこで、ご参加いただける皆さんに次のような宿題を出したいと思います。

1) ご自分が関心を持つ分野で、東日本大震災が発災してから最初の100日間で、
2) 今後の防災に活かすべき良かった事例、あるいは今後改善すべき良くなかった事例をお示しください。
3) その根拠となった比較は何と何ですか
4) そしてなぜそうした差が生まれたとお考えですか。

先月の宿題を出された方も是非ご提出いただけると幸いです。

発表者

  • 1. 第一生命保険(株) 公法人部 顧問 武田文男
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  • 2. 株式会社岩崎敬環境計画事務所 岩崎 敬
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