Memorial Conference DRS
Memorial Conference in Tokyo
〜阪神・淡路大震災の教訓を世界と21世紀に発信する会〜

●開催主旨

阪神・淡路大震災からまる5年がたちます。

被災地に暮らす人にとっては、依然として震災の影響は多くの面に残っています。 これまで復旧・復興に忙しく、この5年間を振り返る暇もなかった人も多いはずです。 5年が過ぎようとする今、やっと自分たちの5年間を総括しようという試みが各地で起こってきたところです。

被災地外に暮らす人にとっては、もう阪神・淡路大震災は過去のことかもしれません。 この震災は、第2次世界大戦後、近代都市が体験した最大の自然災害です。 その教訓は計り知れないものがあります。 ところが、震災から2ヵ月後に起きたサリン事件のために、その後の復旧・復興の苦労はマスコミも断片的にしかとりあげなくなりました。 そのため、あれだけの体験をしながらその教訓を十分に学ばないままこの5年間を過ごしてきたかもしれません。

震災から5年がたった今、被災地内の人にとっても、被災地外の人にとっても、阪神・淡路大震災とはなんだったのか、その教訓として何を学ぶべきなのかを考える、ちょうどいい時期に来たといえます。

私たち阪神・淡路大震災の教訓を世界と21世紀に発信する会(組織委員長 新野幸次郎)では、震災1年目から毎年「メモリアルコンファレンス・イン・神戸」を被災地で開催してきました。
この会議は「メモリアルコンファレンス・イン・神戸 X」まで継続しますが、中間年に当たる5周年目に、これまでのまとめをかねて、東京でも「メモリアルコンファレンス・イン・東京」を開催することにいたしました。

この会議のねらいは、次の通りです。
「阪神・淡路大震災から私たちが学ぶべきことは多く、それぞれの分野で検討や分析が行われています。 しかしながら、各人が自分たちの分野の人たちとのみ話し合うのではなく、いつもとは違った言葉で、異なる背景をもつ人々と語り合うことは大変重要です。 この災害のもつ多様な意味を理解するためにも、また再びこの様な惨禍を繰り返さないためにもこうした話し合いを続けることの意義は大きいと考えられます。 この会議(Memorial Conference)は、2005年までの10年間、毎年継続して開催することになっております。」


日時 2000年(平成12年) 1月17・18日
会場 建築会館ホール
共催 Memorial Conference in Kobe 組織委員会
京都大学防災研究所 日本建築学会 土木學會
後援 朝日新聞社 神戸新聞社 日刊工業新聞社 NHK神戸放送局
参加費 無料 ふるってご参加ください

Program プログラム
Contents  1月17日(月)
9:30 会場  総合進行 藤吉 洋一郎 NHK解説委員
10:00 開会式
●開会挨拶 新野 幸次郎 組織委員長
(神戸からのビデオ出演)
10:30 「ボクの不思議、私の疑問」
●コーナーパーソナリティ 上田 誠也 理化学研究所
国際地震フロンティアセンター
センター長
東京・神戸の小学生の子供たちが、災害や防災について持つ素朴な疑問を自ら解き明かすために、探検に出かける。その過程をビデオで記録し、当日紹介する。会場に来た子供たちと上田誠也氏とのトークを交えながら各エピソードを15分程度で3本紹介する。
12:00 昼食
13:30 「神戸に汗したあの頃・・・・・お元気ですかみなさん」
●コーナーパーソナリティ 田中 智佐子 毎日放送
高井 美紀 毎日放送
さまざまな立場で災害対応に従事した人たちの5年後を訪ねた「あのとき」を振り返るビデオレター。もう一度災害にあっても、次の時も絶対にやるべきことは何か、次はもっと工夫してやるべきことは何か、次の時は絶対にしてはいけないことは何か、を尋ねる。それに加えて、意思決定に携わった人たちには、もっとも難しかった決断は何かを尋ねる。
15:00 休憩
15:30 「〜・あの日・〜・未来、おもいを音楽と言葉に託して」
●コーナーパーソナリティ 藤吉 洋一郎 NHK解説委員
アンサンブルシビル(土木学会メンバーによる学会楽団)の演奏をバックに井上尭之氏が自らの震災体験を語る。
その想いを曲にした「DISASTER」(メモリアルコンファレンスのテーマ)
井上尭之作曲による「DISASTER」を作曲者自身の指揮、アンサンブル・シビルの演奏による世界初演。アンサンブルシビルの演奏をバックに災害の詩を広瀬修子さんが朗読。
●指揮 井上 尭之
●演奏 アンサンブル・シビル 土木学会メンバー
●朗読 広瀬 修子 NHKアナウンサー
17:00 第1日目 閉会

Contents  1月18日(火)
9:30 会場  総合進行 藤吉 洋一郎 NHK解説委員
10:00 「セキュリティー確保のヒミツ」
●コーナーパーソナリティ 吉村 秀実 NHK解説委員
マリー・クリスティーヌ 日本都市計画学会員
まちや人々の暮らしを災害から守るためにどのような工夫がなされているのかを、映像で解説する。
●ゲスト 岡田 恒男 日本建築学会 会長
西川 孝夫 日本建築学会 地震防災委員長
坂本 功 東京大学 教授
石黒 哲郎 芝浦工業大学 教授
濱田 政則 土木学会 地震工学副委員長
亀田 弘行 理化学研究所
地震防災フロンティア研究センター
センター長
11:30 昼食
13:00 「震災復興を検証する−まだ神戸は終わっていない」
●コーナーパーソナリティ 新野 幸次郎 都市問題研究所 所長
5年間にわたる復興の歩みを振り返り、災害復興までの長い道のりを実感する。神戸の復興状況と今後の展望を、検証会議の成果を踏まえて、まち・経済・住まい・生活の切り口から総括する。
●ゲスト
 行政の視点から 井戸 敏三 兵庫県 副知事
 まちづくりの視点から 安田 丑作 神戸大学 教授
 経済・文化復興の視点から 小森 星児 神戸山手学園 理事長
14:30 休憩
10:00 パネルディスカッション「社会全体の保険としての災害対策」
●コーディネーター 土岐 憲三 実行委員長
・災害対策は社会全体の保険であるという視点から、自然による災害に対する保険の概念のあり方を考える。
・個人的な保険と国や自治体などの保険との対比、復興対策と保険との関係などから、「社会全体の保険」の様々な側面について検証する。
・経済の低成長期を迎えて、あるべき防災対策・学ぶべき防災対策のすがたを描き出す。
・先進国と発展途上国との対比を通して、発展途上国における社会全体の保険としての災害対策の問題。
●パネリスト 井戸 敏三 兵庫県 副知事
石原 信雄 阪神・淡路震災記念協会 理事長
加藤 勲 日本IBM Global Services 副社長
広瀬 弘忠 東京女子大学 教授
東浦 洋 国際赤十字・赤新月社連盟
アジア・太平洋部長
14:30 閉会式  東京宣言 新野 幸次郎 組織委員長