Memorial ConferenceIV君の証言 DRS
「君の証言」

大地震
浜田 妙美 (神戸市立本山南中学校)

 私は、4年前のあの出来事が今でも心に焼きついています。私の人生を変えるような出来事…。4年前の1月17日悲劇は起こった。何千にもの死者を出した怖い体験。私は、大地震が来るなんて思ってもいなかった。1月に入って北海道での地震が多くなってテレビなどでも、よくやっていた。まさか、神戸に大地震が来るなんて誰も予想しなかっただろう。1月17日午前6時46分私は、心臓が止まりそうになった。ゴドゴトと家が大きく揺れている中お母さんが、
「地震よ、ふとんをかぶりなさい!!」
と必死に言っているのが聞こえた。ほんの十数秒の間に私は身動きがとれない状態になった。十数秒たって地震がおさまった時、体が動かなかった。私は、そこで初めて家の下じきになっている事が分かった。すごく、ほこり臭くて、せきがすごく出た。私の家族も、タンスの下じきになっていたりしたようだ。1時間30分も家の下じきになった。下じきになっている間、いろんな事を考えた。死んじゃうのかなと思った。すごく、家族の事が心配だった。1時間40分ぐらいだって、やっと助け出された。外に出た時、すごく暗かった。お母さんが泣きながら、ギュと抱きしめてくれた。私は、その時まで泣かなかったのに、ホッとしたせいか泣きました。家族も全員、無事だった。辺りを見てみるとビックリしてこしがぬけそうになった。昨日までの、風景とは全然ちがった。家が全部つぶれていて、建っている家なんてなかった。近所のおばちゃんが、助けて、助けてとさけんでいるのが聞こえた。私の近所でも何十人という人が亡った。空き地に、何人もの遺体が置かれていた。私は、こんな状態を見て、これから神戸はどうなっていくんだろう。と不安だった。何日かして、小学校に行った。私達の学年では3人。全学年では6人の友達が亡った。
 あれから、4年がたち、私は5回も引っ越しをした。この震災で私はいろんな事を学んだ。友達の大切さ、命の尊さ、地域の人のやさしさ、家族がどんなに大切かなど、いろいろ教わった。多分、地震が来なかったらこんな体験はできなかっただろうなと思う。失ったものは多いけど、反対に教わった事も多いと思う。これから、生きていく中でいろいろ苦しい事もいっぱいあると思うけど、命は大切にしようと思う。亡った友達の分まで頑張って生きていこうと思う。


Research Center for Disaster Reduction Systems, DPRI, Kyoto University
京都大学防災研究所巨大災害研究センター