| Memorial Conference／IV／君の証言 |  |
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王 愛理 （神戸市立本山南中学校） １９９５年１月１７日午前５時４６分に発生した大震災。何もかもが私にとって初体験だった。わすが数十秒の間に自分の身の周りや生活環境が一変した。 崩れた家の中、へしゃげた窓と網戸のわずかな隙間から母親にひきずりだされ、屋根づたいに逃げて、かろうじて道路に飛び降りる事ができた。裸足のままで･･････。その時父は、まだ倒れた家具の下じきで足だけが見えていた。父が下じきになり支えてくれたので屋根が私のベッドを押しつぶす事はなかった。 通りすがりの人や、となりの人が危険を省みず、ガレキの中に飛び込み、必死の思いで父を助けだしてくれた。 フラフラと出てきた父を見た時、思わず私は泣き出して膝がガクガクして座り込んでしまった。 全壊した家を後に、着のみ着のまま、避難した。 避難所で私は、人の優しさ、温かさ、思いやりという事を教わった。 自分の家も大変な中で夜中におにぎりを届けてくれた友達。被災者が寒い思いをしているだろうと思って徹夜で肩かけを編んで送ってくれた奈良県立郡山高校のお姉さん。不審者が多発するから、夜も寝ずに避難所の見回りを続けてくれたお兄さん。たった１台の軽トラックで２千人分のたこ焼きを一晩中焼いてくれた屋台のおじさん。たくさんの人の善意に支えられて、それまでは恐怖で笑う事さえ忘れていた私も少しずつ立ち直る事ができた。この事は、地震という体験がないと一生気付く事なく、ただ漠然と日々を過ごしていたと思う。 将来私はこの体験をいかして、ボランティア関係の仕事につきたいと思っている。今はまだ具体的に考えてないけど、人の役にたてるようになりたいと思う。 |