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京都大学防災研究所 Presents

近況報告

宇治川オープンラボ見学会 (2015年3月更新) 

 宇治川オープンラボラトリーには津波造波装置、流水階段、浸水ドア…などなど、たくさんの「装置」があります。どれも研究に役立つ大切なものですが、一度に全部を見て回ることは難しい…
 そこで、ラボには見学会があります。装置の特徴を知れたり、実際に中に入って体験できたり「いいとこどり」で、ラボを満喫できるのです!
 今回は、その見学ツアーについてレポートします。消防局の方々の研修会にお邪魔して、装置のいくつかを体験してきました。今回は「都市水害」についての講習会です。

 見学会の流れとしては、

宇治川オープンラボラトリー職員による講義
 数年以内に実際に起こった水害について、特徴と写真・映像付きで紹介されました。嵐山、大学の周辺…見たことのある景色が大きく変わっている様子に衝撃を受けます。その後は模型を使って、街の浸水が進行する様子を見ることができました。

降雨体験


「豪雨」を擬似体験できる施設です。実験には模型を使うため雨粒も少し小さめサイズになっていますが、それでも傘に当たる水の音は大きく、普段の雨との違いがよくわかります。

流水階段

深さ20cmの水が流れる階段を登っていきます。男性でも時にふらつきながら一段一段踏みしめている様子がよく伝わってきました。このような光景をニュースなどで目にした方もおられるかもしれません。もし地下街でこんな状況に遭遇したら…考えるとゾッとしますね…。

浸水ドア

 ここではドアで隔てられた向こう側に水が流れ込んできた想定で体験を行います。水深30cmで60kg、水深40cmでなんと100kg程の力がかかっているのだそうです!写真のように、体全体で押さないととても開けることはできません。

 時間・施設の都合上見学プランは変更になる可能性がありますが、実際に体験することで大きな経験になると思います。参加したい!という方は、宇治川オープンラボラトリー事務室までお問い合わせしていただければ宜しいかと思います。

京都大学大学院情報学研究科修士1回 足立智美

宇治川オープンラボラトリーで、津波体験 (2014年11月更新)

 宇治川オープンラボラトリーへ見学に伺いました。今回の見学では、装置の中に入って、津波を体感させていただきました。
 漁師さんが着ているような、長靴とズボンが一体化した服(「胴付き長靴」と言うそうです。)を着て、恐る恐る装置の中に入っていきます…。





 待機している間も、そわそわして落ち着きません。赤いランプが回り、サイレンが辺りに鳴り響く。ゲートが上がると、発生した波が近づいて来ます。
 体にぶつかった波が砕け、胸元辺りまで水が跳ね上がります。片足を少し浮かせると、引いていく波の力を感じることができました。そこで実感したのは、津波の速さと、波が砕ける音の大きさ。

  体験させていただいたのは、25cmの波でした。写真を見ていただければわかるように、大きな水しぶきが上がっています。それほど大きなエネルギーが一度に解放されたということでしょう。浜育ちの私には、津波の異常性をありありと感じ取ることができました。



京都大学大学院情報学研究科修士1回 足立智美

新しい津波再現装置が完成しました。 (2014年6月更新)

 京都大学防災研究所宇治川オープンラボに、新しい津波再現装置が完成しました。再現装置の水槽は、長さが45メートル、幅4メートル、水深80センチと巨大なものです。「ピストン型津波造波装置」と「ポンプを用いた流れ発生装置」、そして「落下式津波発生装置」の3つを組みあわせることでさまざまな津波が再現できます。
 実際に津波を再現してもらいました。赤いサイレンが回り、音楽が流れた後に、ゆっくりとした「押し波」がやってきます。その後、大きなまさに壁のような津波がものすごい速さでやってきて、波が海岸をおそうときには大きな破裂音(波が巻き込んでいる空気の音だそうです)が。とても、津波からは走って逃げられないのだと痛感しました。
 今後は、この装置の公開に向けて準備を進めていきます。


完成した津波再現装置


この操作盤で、さまざまな津波を再現します


再現した津波を正面から眺めた様子です


波が砕けるときには大きな音がしますす


再現した津波を側面から眺めた様子です。津波の速さが実感できます。

京都大学防災研究所 特定研究員 宮本匠


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