宇治川オープンラボラトリーには津波造波装置、流水階段、浸水ドア…などなど、たくさんの「装置」があります。どれも研究に役立つ大切なものですが、一度に全部を見て回ることは難しい…
そこで、ラボには見学会があります。装置の特徴を知れたり、実際に中に入って体験できたり「いいとこどり」で、ラボを満喫できるのです!
今回は、その見学ツアーについてレポートします。消防局の方々の研修会にお邪魔して、装置のいくつかを体験してきました。今回は「都市水害」についての講習会です。
見学会の流れとしては、
■宇治川オープンラボラトリー職員による講義
数年以内に実際に起こった水害について、特徴と写真・映像付きで紹介されました。嵐山、大学の周辺…見たことのある景色が大きく変わっている様子に衝撃を受けます。その後は模型を使って、街の浸水が進行する様子を見ることができました。
■降雨体験
宇治川オープンラボラトリーへ見学に伺いました。今回の見学では、装置の中に入って、津波を体感させていただきました。
漁師さんが着ているような、長靴とズボンが一体化した服(「胴付き長靴」と言うそうです。)を着て、恐る恐る装置の中に入っていきます…。
京都大学防災研究所宇治川オープンラボに、新しい津波再現装置が完成しました。再現装置の水槽は、長さが45メートル、幅4メートル、水深80センチと巨大なものです。「ピストン型津波造波装置」と「ポンプを用いた流れ発生装置」、そして「落下式津波発生装置」の3つを組みあわせることでさまざまな津波が再現できます。
実際に津波を再現してもらいました。赤いサイレンが回り、音楽が流れた後に、ゆっくりとした「押し波」がやってきます。その後、大きなまさに壁のような津波がものすごい速さでやってきて、波が海岸をおそうときには大きな破裂音(波が巻き込んでいる空気の音だそうです)が。とても、津波からは走って逃げられないのだと痛感しました。
今後は、この装置の公開に向けて準備を進めていきます。
〒611-0011
京都府宇治市五ケ庄
京都大学防災研究所 巨大災害研究センター
矢守研究室