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京都大学防災研究所 Presents

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近況報告

宮川中学校で避難訓練を実施しました。

 9月12日、宮川中学校にて避難訓練を実施しました。今回の避難訓練は「緊急地震速報」が鳴った場合の、地震発生に備えるというもので、通常6限目にあたる14:30〜15:20の時間に実施されました。

 避難訓練は学校の年間行事カレンダーに必ず組み込まれた防災活動です。しかし、学校ごとに状況が異なり、十分に有効活用している学校と、十分に有効活用できていない学校の差も大きいのではないでしょうか。
 宮川中学校では、避難訓練を前半の「地震避難」と後半の「防災学習」の2つに分け、前半を学校側が、後半を大学側が担当することとなりました。

 快晴の日の午後ということもあり、空調設備のない体育館に約300人の生徒と多くの先生方が入ると、暑さで集中力がもたないのではないかと、心配しました。そこで、動画や画像を多く用い、僕はそれらの流れと補足・紹介をするカタチにしました。
 いちばん初めに、せっかく「緊急地震速報」が流れた避難訓練でしたので、緊急地震速報の仕組みについて、簡単に説明した後、百聞は一見にしかずということで、阪神淡路大震災の時の防犯カメラの映像を見て、「体感した場合の反応」をイメージしてもらいました。

 次に、被災地を私(河田)が訪れた話をし、南三陸町(戸倉町)や釜石の現場の話をしました。現場の空気や雰囲気を少しでも伝えられたなら幸いです。

 そして、中学生は「守られる立場から、守る立場になれる」という実例を釜石東中学校と鵜住居小学校の話や、東日本大震災を振り返りながら、当時現場にいた同年代の子どもたちの証言をまじえながら進めていきました。
 「自分の命を守ることが大前提であること」を伝えることを忘れずに、「自分に何が出来るか?」を考えてもらう契機となったとともに、当時の釜石東中の中学生は高校生になってインタビューを受けている姿を見て、時間の流れを実感してもらえたのではないでしょうか。
 先述の通り、暑い体育館の中での話ということもあって自分自身不安を感じていましたが、今の3年生とは去年度、今の2年生とは今年度、ともに複数回の防災授業を行ってきたことで、生徒と大学の人(僕達ですね)の良い関係性が築けている、また、僕自身もプロジェクトの中で、授業を重ねる中で成長させてもらっていることを実感しました。
 伊勢も地域差が激しく、沿岸部は津波災害、内陸部(特に宮川学校の校区)は風水害の危険性があります。今回、大人になって他の街で生活する時、大人になって家族を守る立場になった際の話もしました。何か1つでも中学生にとって今回の避難訓練を通して得るものがあったことを期待しています。

京都大学大学院情報学研究科 河田慈人

近況報告

2013年度 第3回授業を行いました!

 宮川プロジェクトは2年目を迎えました。第3回授業(6月20日)では、津地方気象台の予報官も授業に参加され、最新の気象情報について解説をして頂きました。また生徒達の関心の高い東南海地震や津波についての話もあり、生徒たちは普段接する機会の少ない専門家の話を熱心に聞いていました。

 今回の授業でも、地域の気象情報をテーマに、実際に気象情報を利用する内容となっており、生徒たちは非常に熱心に授業を受けていました。自分たちの街も身近な気象情報には、関心があるのでしょう。

 また、今回の授業では、班ごとに気象情報から知った危険をどのように伝えると効果があるかを考え、ロールプレイ形式で実際に先生にアドバイスを行って頂きました。必要な情報を知るだけではなく、どのように理解して伝え利用するかという一歩踏み込んだ視点を追加しています。

 昨年度、学校と地域に設置したモニターは、地域の気象情報が一目でわかるようになっています。昨年はモニターに表示されているXバンドMPレーダーを活用して、ゲリラ豪雨の接近を事前に察知し、早期帰宅につなげることが出来たそうです。今年度は幸いにして災害に遭遇するということはまだありませんが、引き続き日常生活で災害の危険を感じ取れる機会を提供しています。

 地域(ぎゅーとら二俣店)に設置した気象モニターは、設置して半年が経ちました。今年の6月からは宮川中学校区の1つである中島学区のまちづくり協議会のお知らせが表示され、地域の情報掲示板としての機能が追加されています。

【7月17日 第4回授業】

 7月17日は、第4回授業でした。定期試験明けの夏休み直前ということもあり、のびのびとした雰囲気の中、中学2年生3クラス合同で授業を行いました。今回は、防災についてのデザインをテーマに、地域の色や言葉、ロゴやキャラクターについて考える授業を行いました。この結果は、今後の地域との連携の中で利用していく予定です。

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