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京都大学防災研究所 Presents

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近況報告

大洗小学校で二回目の防災授業「クロスロード:大洗編」 (2015年11月更新)

 11月27日、半年ぶりに大洗小学校で二回目の「クロスロード:大洗編」防災授業を実施しました。



 前回の授業の最後に、家族防災会議を行いましょうと提案しました。今回は、みんなは家に帰って家族で待ち合わせの場所についてお話しましたかと聞いたら、みんなちゃんと家族と話し、決めたようです。大洗小学校で合流する家族が多い、その中で、親の仕事場に来てもらう家族もあります。このようにして、事前にお話し合いことが大事です。

 次に、「大洗編」の定番設問のひとつ、「あなたは避難所のリーダー。業者さんから大量の納豆が送ってきて、ありがたいが、匂いもするし、嫌いな人もいる。あなたはどうする?YES受け取る/NO受け取らない」を聞きました。
 カードを出した結果、4人がNOを選び、ほかの全員はYESを選びました。NOの理由は、アレルギーの人、納豆を食べられない人もいるから、大量に受け取ると困る。YESの人は、納豆は大事な食料だから、食料足りないと困る。そこで、小学生が自分の好き嫌いを置いといて、避難所のリーダーとして考えられることが、とても興味深いです。
 後半から、グループ分けて皆に設問を作成してもらいました。15分かけて、5問のすばらしい設問が完成しました。



完成してから、それぞれのグループの代表が設問を発表し、みんなにYESかNOを聞きました。



 完成された設問は、
「あなたは大洗町の町長。夜中に津波が発生し、あなたは役場に行って放送するかそれとも先に逃げるのか」
「あなたはマリンタワーの施設長。津波が来て、先に逃げるのか、お客を誘導するのか」
「あなたはライフセーバー。津波が来て、先に逃げるか、お客を先に逃すのか」
「あなたはスーパーの店員。震災の直後、お水がないとき、お客さんが水買いに来た。しかしあなたも水が欲しい。水を渡すか、渡らないか」
「あなたはバスのドライバー。運転中に津波が来た。高台まで近道にいくか、いつもの道に行く」
以上の5問があります。

 その中で、実際の震災体験に基づいた話もあるようです。そして子どもたちが地域の特有の施設、職業の設定にし、皆が答えするときイメージしやすくなりました。



 最後に、今回は、私が「李先生」と呼ばれたが、実は一番勉強になったのは私ですと皆に伝えました。本当にとても有意義な時間でした。



特定研究員 李フシン

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