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京都大学防災研究所 Presents

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近況報告

大洗小学校で防災授業「クロスロード:大洗編」 (2015年9月更新)

 7月10日、防災教材「クロスロード:大洗編」が大洗小学校で、5年生を対象に、防災授業を実施しました。これまで、「大洗編」は大人を対象にし、幾度かワークショップを開催してきましたが、小学校で実施することは今回が初めとなります。また、水戸NHKのニュース取材がありました。当日のニュース番組で放送されました。 



 子どもたちはとても真剣で、賢いです。



 今回は「大洗編」の中の2問をプレーしました。
 第1問目は、「あなたは消防団員。緊急時期にどうするのか?YESは先に逃げるか。NOは最後まで車を誘導するか」。子どもたちはすぐに選択でき、YESNOカードを出しました。
 その後、グループ討議で、それぞれの理由を述べました。YESの理由は「自分の命は自分で守る」、「20分ぐらいあれば、15分ぐらい続けて残りの5分で逃げる」。一方、NOの理由は「消防団の仕事は、町の人の命を守ることだから、誘導を続ける」などがあります。



 今回は、この設問を作成した本人、飯田英樹さんに登場してもらいました。飯田さんが皆に、3.11当時の経験、およびその反省を皆に伝えました。「私は3.11当時、最後まで残って、津波は目の前に来た。その後、東北の様子を見て、もし大洗も東北のようになったら、もうここにいない。率先避難者になったほうが、もっと多くの命を助けられるかもしれない」と話しました。子どもたちは、答えは、一つだけではないことを学びました。

 次の質問に移ります。その質問は「あなたはお母さん。こどもたちは学校に着くはずの時間に、大地震が発生した。津波が来るかもしれない。連絡もとれない。YESは助けにいく。NOは先に逃げる」その結果、子どもたちはほぼ「YES助けにいく」とYESのカードを挙げました。
 次に、この設問を作成した本人、現在中学校2年生のRくんの解説動画を紹介していきます。Rくんは子どものことが心配だからYES助けにいくを選びました。立場を変えて、あなたはお母さんに助けに来てもらいたいのかと聞いたら、Rくんは動画の中では非常に困りました。やはり助けに来てほしいけど、悩んでいました。

 この質問を通じて、家族防災会議の重要性を教えました。「もしお母さんが助けに来たとき、あなたはもう学校について、一緒に避難して、すれ違ったらどうしましょうか」、「お母さんが探しに来るとき、津波が来たらどうしましょうか」といろんな可能性があるため、「大事なのは、家に帰って、家族の人と一緒に話しあい、避難場所、そして待ち合わせ場所を決めましょう」。
 最後に、こどもたちに「今日の授業はどう思いますか、YESは面白いです、NOは面白くないです。答えてください」と聞いたら、全員が「YES」カードを挙げました。



京都大学大学院情報学研究科 李フシン

JCI大洗青年会議所7月例会「クロスロード:大洗編」〜共に防災について考える〜 
(2015年9月更新)
 

 7月8日の18時半から20時半まで大洗商工会の会議室で、JCI大洗青年会議所の7月例会にて、大洗町の町民と一緒に、「クロスロード:大洗編」を実施しました。


 今回は、テーブルごとに、それぞれカードを持って、遊んでいました。真剣な討論のなかに、時折笑い声も聞こえていました。




 アンケートでは、「うすれがちな思いを今一度思い出し大変貴重な経験となりました」、「自分たちが守るものの優先順位などを明確にし、今後のルール作りにも役立つ」などの意見がありました。来年も、さらに今後も、例会のプログラムとして、大洗町でこのような防災活動を永続していくことが望まれます。

京都大学大学院情報学研究科 李フシン

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