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京都大学防災研究所 Presents

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近況報告

阿武山観測所がリニューアルオープンされます。 

 2015年7月4日(土)に、阿武山観測所がリニューアルオープンされます。阿武山観測所は耐震改修工事に伴い、2014年7月5日の最終見学会をもって一時休館となっております。その工事も無事に終わり、7月4日のリニューアルオープンに向けて、現在は荷物の移動等の準備が着々と進められています。


阿武山観測所の外観


 改修工事により、西館はセミナー室やホワイエ等が、モダンな雰囲気できれいに生まれ変わりました。一方、本館はできるだけもとの内装を維持し、改修前の雰囲気を色濃く残しております。2007年に大阪府の近代化遺産に選ばれており、改修に伴い現代と近代が絶妙に融和した作りとなっておりますので、是非一度足をお運びいただけたらと思います。


和室の様子


 7月4日のリニューアルオープン後、以前にも増して様々な活動に取り組んでいくために、関係者一同、力を合わせてまいります。是非、新生阿武山観測所の今後に、ご期待ください!

京都大学大学院情報学研究科 日岡惇

近況報告

鳥取の地震計設置に阿武山観測所のボランティアサポーターが参加しました。

 2015年3月22日〜26日にかけて、鳥取県での地震計設置に阿武山観測所のボランティアサポーター6人が参加しました。
 これは、以前に鳥取県で行った地震計の設置点調査にもとづき、満点地震計を50点設置するという作業でした。この作業を阿武山観測所のサポーターたちも担い、実際に何点かの地震計を設置しました。


サポーターによる地震計設置の様子


 寒さ、突然の雪、山道、設置点の変更、地域住民との等、多くのトラブルに見舞われながらも、無事に地震計を設置し終えることが出来ました。この作業を通じ、地震計設置に関するノウハウ、専門家と共に活動したことによる多くの知見や経験、実際に地震計を設置する上での様々な困難等、多くのことを学ぶことが出来たと思います。

 また26日には、米子市福祉保健総合センターにおいて、0.1満点計画に向けたボランティア説明会が行われ、5名の方のご参加をいただきました。
 鳥取県では2017年度に、1000台の地震計を設置して、内陸地震が発生する仕組みを解明しようという「0.1満点計画」が行われる予定です。これには、多くの人手が必要であり、特に、地元の一般市民の方々の協力が不可欠です。
 そこで、鳥取県でこの研究に協力していただける人を募集するために、地元の方々に対する説明会を行いました。説明会では、京都大学防災研究所教授で、阿武山観測所所長の飯尾能久先生が、これまでの地震学の研究成果や、「0.1満点計画」の概要を説明しました。また、阿武山観測所のボランティアサポーターが、これまで自分たちが行ってきた活動や、満点地震計に関して説明しました。


サポーターによる満点地震計の説明


 今後、鳥取県において「0.1満点計画」を進めていくためには、一人でも多くの一般市民の方々に、ボランティアになっていただくことが必要です。今回の説明会は、そのための小さな1歩になったことと思います。
 また、阿武山観測所のボランティアサポーターの活動は、この取り組みに先駆けて行われている好例です。その意味で、鳥取での「0.1満点計画」においても、阿武山サポーターは大きな役割を果たしてくれると思います。

京都大学大学院情報学研究科 日岡惇

近況報告

枚方市にて、地震学・減災に関する講座を行いました。 

  2015年2月28日(土)と3月7日(土)の2日間、大阪府枚方市の南部生涯学習市民センターにて、地震学と減災に関する講座を行いました。
 第1回は2月28日、「やさしい地震関連講座」と題し、阿武山観測所のボランティアサポーターが講師を務めました。


サポーターによる講座(2月28日)


 講座の内容としては、地震が起こる仕組みや地球内部の様子といった地震学の基礎を、パワーポイントや模型を交えながらわかりやすく説明しました。
 また、地震学の歴史や今後予想される大地震についても解説しました。さらに、阿武山観測所やそこにある地震計、及びサポーターのこれまでの活動も紹介し、地震学と阿武山観測所、サポーターの関係を詳細に説明しました。参加者は、地震の基礎や身近な地域での地震に関して、理解を深められたことと思います。

 第2回は3月7日、「減災について」と題し、京都大学防災研究所教授の矢守克也先生の講座が行われました。


矢守先生による講座(3月7日)


 講座の内容としては、「自助・共助・公助に関する数字」が具体的に説明され、普段の生活における心がけが、有事の際に役に立つことがわかりやすく解説されました。また、「正常化バイアス」における「わがこと意識」や、「クロスロード」等が紹介され、防災に関して参加者自身が考える場面もありました。実際の事例をもとにした説明が行われ、参加者の方々も防災を身近なものに感じられたと思います。
 今回は、阿武山観測所が閉館中のため、観測所を離れて行う出前講座となりました。今回の経験を活かし、観測所の再オープン後の活動にも繋げていきたいと思います。

京都大学大学院情報学研究科 日岡惇

近況報告

地震学×減災学 対話講座 第3回を開催いたしました。 

 2015年1月31日(土)、高槻市役所において、阿武山対話と題する対話講座の第3回目が開かれました。これは、地震学・減災学に関して、その分野の専門家と一般の人々が対話をしながら、相互に理解を深めていくこと、また、その研究に阿武山観測所が果たしてきた役割や今後の展望に関して、共に考えていくことを目的としています。
 第3回目の今回は、「断層直下の「やわらかい」ところ」というテーマで、京都大学防災研究所教授で、阿武山観測所所長の飯尾能久先生による講座が行われました。今回は、第1回の対話講座の続きという形で行われました。第1回で寄せられたコメントに基づき、その時の内容をよりわかりやすく解説したり、質問に答えたりすることで、より対話形式を心がけた講座になりました。


サポーター活動の説明


 講座の最初に、阿武山観測所のボランティアサポーターが、これまでの活動のまとめを発表しました。ボランティアサポーターの養成講座に始まり、地震学のセミナーや地震計のガイドツアーといったメインの活動、阿武山周辺の自然や古墳、岩石等に関する各種オリジナルツアーの考案と実施、夏休みの出前講座、更には各施設の見学や研修といった、これまでの様々な活動に関して、サポーター自らが説明しました。


鳥取県での満点地震計の設置点調査の報告


 また、現在も拡大しているサポーター活動の事例として、鳥取県での満点地震計の設置点調査の様子も報告されました。これは、阿武山観測所を遠く離れての活動となっている点で、サポーター活動がまさに進行形で広がりを見せているということが言えます。また、今後の鳥取県での地震計の設置においても、類似のボランティアの募集が行われるということで、その良き先例になったものと思います。これからのサポーター活動のさらなる展開として、非常に期待の感じられる活動となっています。
 サポーターの種々の活動に関する発表を聞いて、阿武山観測所で行われている取り組みに関して、参加者の理解も深まったことと思います。今後のサポーター活動をさらに活発なものにするための、良いきっかけになったと思います。


飯尾先生による講座


 講座の内容は、第1回で最も質問が多かった、断層直下の「やわらかいところ」に焦点を絞り、詳しい解説がなされました。地球内部の様子や断層の構造に関して、身近でわかりやすい例や図、モデルを用いての説明が行われました。
 参加者の理解も深まったようで、より具体的な質問やコメントが数多く寄せられました。これらの質問やコメントは、今後さらにわかりやすい説明をしていくための参考として生かしていくとともに、参加者の皆さんに何らかの形でフィードバックしていきたいと思います。
 最終回の次回、第4回の対話講座は、2015年3月7日(土)、防災・減災に関して、京都大学防災研究所教授の矢守先生がお話致します。

京都大学大学院情報学研究科 日岡惇

近況報告

茨木市にて、地震学・防災セミナーとペーパークラフト地球儀づくりの出前講座を行いました。 

  2015年1月21日(水)、大阪府茨木市の生涯学習センターにて、「やさしい地震学と防災・減災セミナー&ペーパークラフト地球儀づくり」と題する出前講座を行いました。
 参加者は10名で、講師として阿武山観測所のボランティアサポーターである6人が運営しました。本講座は2部構成で行われ、第1部ではやさしい地震学に関するレクチャーが、第2部ではペーパークラフト地球儀の作成が、それぞれ行われました。また、1部と2部の間にはアースダイバーが上映され、大阪の地下構造について理解を深めました。


サポーターによる講座


 これまでのサポーター活動では、大人向けには阿武山観測所での見学会を、子供向けには夏休みの出前講座を、それぞれ行ってきました。
 しかし、観測所が耐震改修に伴い閉館になったため、観測所での見学会は一時的に行えなくなりました。そこで今回、阿武山観測所を離れて、出前講座の実施ということになりました。出前講座は今までにも行われていましたが、それは夏休みを利用した子供向けの内容のものだけでした。一方、大人を対象にした講座というのは、阿武山観測所の見学会のみでした。
 そのため、今回の茨木市の出前講座は、観測所以外で行う大人向けの講座としては初めてということで、大変意義深いものとなりました。また、ペーパークラフト地球儀づくりも今回初めて行った内容であり、今後ますます活動の幅は広がっていくと思います。


ペーパークラフト地球儀


 最後には、茨木市の危機管理課が作成したパンフレットやHPの説明があり、茨木市が行っている防災・減災の取り組みも紹介されました。
阿武山観測所のボランティアサポーターと一般市民、茨木市、更には大学がお互いに協働して行った今回の講座は、今後の防災の取り組みのための、重要な足がかりとなったことと思います。
京都大学大学院情報学研究科 日岡惇

近況報告

満点地震計の設置点調査に、阿武山観測所のサポーターが同行しました。 

 2014年11月27、28日、鳥取県での満点地震計の観測点調査に、阿武山観測所のサポーター3人が同行しました。満点地震計とは、多点で高精度かつ容易に地震を観測できる、小型で安価な地震計です。
 これを用いて、多くの地震データを収集し、地球内部の構造を明らかにしようというのが満点計画であり、阿武山観測所もこの一翼を担っています。


満点地震計


 この満点計画を進めるにあたっては、満点地震計の設置場所を探すことが必須です。
 しかし、どこでもいいというわけではなく、様々な条件があります。例えば、設置する基盤となる地面の状況や積雪の影響、動物や人による被害等を考慮する必要があります。また、良い条件の土地を見つけたとしても、すぐにそこに置けるわけではありません。
 土地所有者である地主さん、あるいは各都道府県や市町村といった行政との交渉が必要です。すべての作業を実際にやってみることで、設置点調査の大変さややりがいを感じ、そこから様々な知識や気付きが得られたことと思います。


満点地震計の設置場所の選定の様子


 満点計画は文字通り「万点」の観測点が目標であり、それは一部の専門家だけでは決して実現できません。一般の人々にもその役割の一部を担ってもらうことが必要です。その先駆けという意味で、今回の作業は非常に意義深いものになったと思います。

京都大学大学院情報学研究科 日岡惇

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