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京都大学防災研究所 Presents

第6回 榎本 剛さん(京都大学 防災研究所 准教授)

「とことん、“高気圧”」(4ページ目/4ページ)
【聞き手 住田功一アナウンサー (NHK大阪放送局)】

研究の夢

住田)なるほど、ここまで研究を進めてこられた榎本さんの、これから夢はどんなものですか?

榎本)はい、夢というよりも目標なんですけれども、2週間先の天気予報をよくしたいと思っています。2週間先、天気の予測には限界があると言われていて、1週間から10日だと言われています。しかし、現象によっては、2週間先が予測できるのではないかというふうに考えられています。
 現象によってというのはこういうことです。単に晴れるだけだとか、ちょっと雨が降るだけというのは、社会的な影響は大きくないと思いますけれども、社会的に影響が大きい熱波であるとか寒波であるとか豪雨であるとか、そういうものが起きやすいのか起きにくいのかということ。やや漠っとしていますけれども、社会的に影響の大きいような気象について、予測ができるようになるといいなというふうに考えています。
 そのためには、先ほどスパコンのところで出てきましたけれども、数値的な手法、これを改善していきたい。それから、異常気象のメカニズム、過去には日本の上の、夏の高気圧の研究をしたんですけれども、そのほか異常気象のメカニズムや予測可能性についても調べていきたいなというふうに思っています。

住田)なるほど。2週間というスパンですと、例えばいろんな計画や、行動をどういうふうに考えるかという余裕もできますし、経済的な、何かをつくって売るという人たちにとっても、メリットも出てくるでしょうし。

榎本)はい、欧米では、気象に関して、災害というネガティブなイメージ、なるべく災害を減らそうという減災、防災の観点もあるんですけれども、情報をうまく活かして人々の生活をよりよくするために気象の情報をいかしていこうという動きもあります。

住田)なるほど。

榎本)それから、わたしは若手若手と言って、おだてられてきたわけですけれども、40も半ばになってきておりまして、この先20年くらいで、定年というのがあります。ですので、自分が研究するだけではなくて、人に伝えていく、若い学生さんに自分の経験であるとか知識を伝えていくことも大事かなと思っています。
 大学に来てまだ日が浅いので、教師としてはまだ駆け出しです。ですので、よりよい先生になるように努力したいなと、これも自分にとっては大きな目標であり、夢になっていることです。

住田)後進を育て、その後進がさらに研究を深めていくということですか?

榎本)まだ後進を育てるというような大きなことは言えなくって、先生をさせていただいているというような状況ですけれども、研究に研鑽を重ねていきたいなと思っています。

住田)今後のご活躍をお祈りします。今日はどうもありがとうございました。

榎本)ありがとうございました。



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