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京都大学防災研究所 Presents

第11回 川池 健司さん(京都大学防災研究所准教授)

「都市の浸水、診断します」(2ページ目/4ページ)
【聞き手 住田功一アナウンサー (NHK大阪放送局)】

身を守るための予測

住田:ここ数年言われているゲリラ豪雨では、突然ザーッと雨が降ったりしますよね。ニュースの中でも、たとえば、高架下のちょっとしたくぼみに水がたまって人が孤立したとか、地下に閉じ込められて人が亡くなったといった報道もあって、都市の中の水っていうのは意外と怖いという実感もあります。

川池:そうですね、とくに最近は、いままで予想もされていなかったような豪雨や洪水が発生しています。たとえば、堤防だったら、ここまでの浸水だったら守ります、下水道だったらここまでの豪雨だったら防ぎますっていうような基準を超えてしまうものですね。

 そういったものに対して、じゃあ、街の中はどういう状態になるのかをある意味予測しておく、どのくらい危険な状態になるのかを、きちんとした情報として出しておくことが、自分の身を守る行動、避難行動につながっていくのだと思います。
 その意味で、こういった情報は大事な情報になっていくんじゃないかなと思っています。

研究への道のり

住田:なるほど。では、ここからは、川池さんが研究の道に進まれたそのルーツといいますか、原点ですね、それをたどっていって、今現在はどんな夢を描いてらっしゃるかについてお聞きしていきたいと思います。

 豪雨災害の被害予測の数値解析というのがご専門の川池さんですけれども、現在は39歳でいらっしゃるんですね?

川池:はい。

住田:研究の世界に進まれた原点は、小学校の時にさかのぼるそうですが。

川池:今回のお話を頂くまで、ほんとに自分でも意識してなかったんですけれども、小学生の時に、父が買ってきたもので、当時マイコンって言ってましたけれども、そのマイコンに向かってプログラミングをしてた記憶があるんです。
 小学生ですからゲームのプログラムとかを写してやるわけですけど、なにもゲームがしたくてプログラミングしてたわけじゃなくて、プログラムを打ち込んでその通りの画面の表示がされてくる、そのプログラム通りに動いてくれるっていうことに満足感を持てたんです。
 それが確認できたら、「よし、じゃ次のプログラム行こう」っていうような。

住田:ほー、まさにプログラム好きですね。

川池:そうですね、プログラムを作って自分の思う通りに動いてくれたっていうことの楽しみを求めてやってましたね。

住田:では、コンピューター大好き、プログラムが好きだっていうのは、まったく今まで一直線ですね。

川池:これがですね、中学生くらいになったらもう自然消滅と言うかですね、なんか、部活も忙しくなったり・・・。

住田:部活は何やってたんでしたっけ?

川池:短期間なんですけど陸上部に入っていました。

住田:ちょっと控えめにおっしゃいましたが・・・中学は陸上部で、熱中は?してなくて?

川池:まあ、あまり熱心に練習する部活でもなかったので。

住田:それで、高校では?

川池:高校ですね。何をおもったかバレー部に入ったんですけれども、3か月でやめちゃいまして・・・。

住田:あらまあ、ええ。

川池:高校の間は、なにか、自分ががんばったらどこまでできるんだろう、自分の限界ってどこにあるんだろうっていうのを知りたくなって、いままでそんな熱心にやってなかったんですけど、勉強を頑張ってみようとおもって、大学入試の勉強に頑張りました。

住田:勉強に打ち込んだと。そして、京都大学工学部にストレートで合格されて、そのあと工学部の道をずっと進まれるんですけれども、学科っていうか専門、専攻は何だったんですか?

川池:土木工学です。

住田:土木工学の中でも中心はどんなことだったんですか。

川池:学部の間は、万遍なくいろんな分野を勉強して、4回生になったときに都市水害を研究する研究室に入りました。そこで専門分野が決まってきたという感じです。



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