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京都大学防災研究所 Presents

第13回 西嶋 一欽さん(京都大学防災研究所准教授)

「風とリスクとヤシの木と」(4ページ目/4ページ)
【聞き手 住田功一アナウンサー (NHK大阪放送局)】

住田:「耐風工学」、風に耐える工学「耐風工学」、そして「意志決定」、そして「リスクをどういうふうに判断するのか」こういったことが研究テーマの、西嶋さんですけれども、では、最後に西嶋さんの今後の『夢』は、どういうものでしょうか、教えてください。

西嶋:はい、自分の研究テーマは、意志決定なんですけれども、意志決定っていうとなにか難しい印象がありますけれども、要するに意志決定っていうのは、どういうふうにして物ごとを考えて判断するかっていうことですね。
ぼくがこれからやっていきたい、こういうふうに社会に貢献したいなと思っているのは、ひとりひとりが考えて、物ごとの判断ができる、いろんな自然災害のリスクがあると思いますけれども、それに対してどういうふうに立ち向かっていくのか、あるいは、どういうふうにリスクをコントロールしていくのかっていうことを、一人一人が考えられる、そういう社会になればいいなというふうに思っています。

 その時に、例えば地震や台風に対してどう対処するかとなった時に、そもそも台風ってどれくらいの頻度で襲来してどれくらいの風が吹くのかっていうのは、個人ではなかなか予測できないですよね。だから、そういう意志決定をするために、基本的な情報を提供するのは研究者の役目役割だと思うんです。というのが一つですね。
それからもうひとつは、大学の教員としては、どういうふうな情報をもとに、どういう論理で意志決定をするべきなのかっていうのを大学の講義でやるとか、あるいは出張講義であるとか、そういうところで伝えていければいいなというふうに考えています。

住田:私たちは、いろんなリスクの中に生きてるわけですけれども、そういう意志決定をみんなと議論して、どういうふうにそれを組み立てていくか、すりあわせていくかっていうのは、これは、日常から磨いておくというか、身につけておかなきゃいけないものなんですね。
今日はどうもお時間いただきまして、ありがとうございました。



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