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京都大学防災研究所 Presents

第14回 松島 信一さん(京都大学防災研究所)

「振動のスペシャリスト」(4ページ目/4ページ)
【聞き手 住田功一アナウンサー (NHK大阪放送局)】

住田:東日本大震災では大きな津波の被害がありました。あるいは、そのあと水害とか、いろいろな災害がありました。20年前の阪神淡路大震災、いわゆる直下型で私たちが暮らしているところが襲われたという地震。
ちょっと前のことって、皆さん思ってらっしゃるかもしれませんが、ここは、見逃しちゃいけない部分ですね。最後に、松島さんが思い描く将来、この研究の先の夢を教えていただけますか。

松島:そうですね、やはり一番の目標、我々がやっていることの目標は、建物の安全性をいかに確保して、そこで被害にあって亡くなられる方をもちろん無くすということですし、被害をいかに少なくするかということなんですけど、そのためには、先ほども申し上げましたように、やはり地下構造、地盤がどうなっているかというのを調べる必要があります。
それを調べることによって、さらに将来の揺れ方がわかってきますので、特に南海トラフでの地震が起こるまでに、その地下構造の詳細を調べることをやりたいと思うんですけども、私とか我々の研究室だけでは限界があって、もちろん他にもやっている方々はいらっしゃいますけども、できるだけそういう同志を集めて、将来の安全な日本につなげていけたらなというふうに思っています。

住田:私達日本人が暮らしているその場所の中で、とりわけどこが危ないのか、これは地道にたくさんの人で分析していかなきゃいけないんだということですね。

松島:単純なところに我々は住んでいるわけではなくて、山があったり川があったり、盆地があったり、平野があったり、海があったりして、非常に複雑なところに我々は住んでるんですけれども、住みやすいのはやはり、今おっしゃったように、柔らかくてですね掘りやすいところですね。
そういうところに住んでるので、そこはどうしても逆に揺れやすいんですね。ですので我々は、そういう揺れやすくて地震が起こったときに非常に危ないところに住んでいるんだっていうことを皆さんに認識していただいて、それをいかに恐れるのではなくて、いかにそれを知って、それに対する対策をとっていくかということをみんなで今後考えていけたらなと思います。

住田:きょうはどうも貴重な時間、ありがとうございました。

松島:ありがとうございました。



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