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京都大学防災研究所 Presents

第18回 馬場 康之さん(京都大学防災研究所)

「海待ち風待ち、データよし!」(4ページ目/4ページ)
【聞き手 住田功一アナウンサー (NHK大阪放送局)】

住田:そうですか。そうして、細かく現場を見つめるということが、今の観測所の研究にとって、データをとって積み重ねていくことが命だということになるわけですね。では、最後に、この白浜の海で、ずっとデータをとりつづけ、観測をつづけていらっしゃる馬場さんが、思い描く将来の夢というのをお聞かせください。

馬場:まず、我々が観測塔でとっているデータについて、こういうものは非常に長期の蓄積にもなりますし、あとは、たとえば台風ですとか、一般的には非常になかなか観測の難しいようなときも含めて全部データをとることができますので、連続観測の中で、僕らが言うところのいわゆる「いいデータ」というのをとりたいと思っています。

住田:この観測塔っていうのは、浮いてるブイの観測じゃないんですよね。ピタッと位置が決まっていると。

馬場:固定されていますので、たとえば台風がきたときの強風だとか、高波なんかの条件下でもデータをとることができます。そういったデータは、なかなか量的にも十分あるものではないと思いますので、そういう意味では貴重なデータがとれると思います。

住田:ということは、どんなコースの台風、ハリケーンで、こんな波が来るぞっていうのが、わかってくる可能性が・・・

馬場:そうですね。シミュレーションとしてはかなり進んでいるとは思いますけれども、そのシミュレーションのモデル化されているものについては、おそらくまだこれから精度を向上させていく必要のあるものがあるので、やはり、いいデータがそろっていればそういうモデルの向上なんかにも役に立つかなと思います。

住田:では、その海も大気も、そして、ここで蓄積されているデータも世界につながっている、つながっていく可能性があるというわけですね。

馬場:あともう一つは、やっぱりこの施設ですね。高台にありますので、地元のみなさんに関しましては、たとえば津波警報なんかが出たときには、一時避難に使って頂くようにもなっておりますので、そういうところから、ほんとの足元のとこから始めてですね、地域の防災なんかにも役立つような活動ができればなと思っています。

住田:いろんな意味でここが拠点になって、ひいてはいろいろな防災、そして私達の身近に起こるいろんな出来事を分析する最前線であり続けるということですね。
はい、今日はどうもありがとうございました。

馬場:ありがとうございました。



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