本文へスキップ

京都大学防災研究所 Presents

第1回 山田 真澄さん(京都大学 防災研究所 助教)

「役に立つ地震学」(5ページ目/5ページ)
【聞き手 住田功一アナウンサー (NHK大阪放送局)】

研究の夢

住田)最後に伺いたいんですけれども、山田さんの、これからの研究の夢っていいますか、社会の「役に立つ」という部分で、ご自身の研究にどんな夢を持っていらっしゃいますか?

山田)難しいんですけれども、わたしが今研究しているような分野、「リアルタイム地震学」とか呼ばれていますけれども、こういう分野の研究をしている研究者っていうのは非常に少なくて、全国の大学でも片手で数えられるほどくらいしかいないんです。

住田)そうなんですか?

山田)地震学にはやっぱり新しい発見があるので、そういったことには多くの人が関心を持っているんですが、それを実用的に応用したりするような技術に関してはあまり興味を持ってくれる人がいないんです。
 けれども、緊急地震速報というシステムは、日本の全国の人に日々ずっと知らせているもので、非常に重大な問題ですから、少しでも多くの人が興味をもって取り組んでほしいと思っています。それから、将来は地震の実況中継みたいなものができるようになったらいいなと思っています。

住田)はあ!実況中継っていうのは、どういう?

山田)たとえば、台風は「南のほうで台風が発生して、いま北に向かっています」とか、「いま沖縄にいます」とか、そういった実況中継ができますよね。

住田)できますねえ、ええ。

山田)台風の場合は、それがゆっくり来るんで、今の技術で可能なんですけれども、地震の場合はもうちょっと早いんですよ。

住田)はい。

山田)3分ぐらい。

住田)ええ。

山田)だから、もし技術が発達していたら、「ただいま紀伊半島沖で地震発生、いま名古屋に向かって地震の断層破壊が動いています」っていうことが、もしかしたら刻一刻と実況中継できるかもしれなくて。

住田)それは、もしかしたらケータイに、ぱぱぱってきたりとか、テレビのテロップでぱぱぱって出るかもしれない。

山田)はい、そういったことが将来できるようになったら少しでも被害の軽減に役に立つんじゃないかなあっていうふうに思います。

住田)そうですねえ。今日はどうもありがとうございました。

山田)はい、ありがとうございました。



>>>ぼうさい夢トークTOPへ

減災社会プロジェクト

〒611-0011
京都府宇治市五ケ庄
京都大学防災研究所 巨大災害研究センター
矢守研究室