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京都大学防災研究所 Presents

第12回 米山 望さん(京都大学防災研究所准教授)

「三次元解析でリスクを見つめなおす」(2ページ目/5ページ)
【聞き手 住田功一アナウンサー (NHK大阪放送局)】

未来の高速道路マップを夢想した少年時代

住田:米山さんは、幼いころから、やっぱり水を見つめておられたんですか?

米山:いや、特にそういうことはないですけれども(笑)。

住田:一説によると道路地図が割とお好きだったっていう情報があるんですが。

米山:今も、これ好きなんですけれども、地図を見ながら高速道路をたどっていきましてね、僕が子供の時だから、20年とか30年前のことですけれども、まだ、あんまりつながっていませんでしたよね。その高速道路見ながら、こことここつながったら、ここに行けるのになぁとか、そんなのをずっと見てるのが好きで。でもそれはよく考えたら今も結構好きなんです。高速道路がつながるとすぐ走りに行くと。

住田:人の流れ、物の流れは確かにそこにありますが。水との出会いは?小学校のころスイミング、水泳をなさっていたとか?

米山:実はですね、僕、思い出したんですけれども、子供の時に女神湖ってありますよね、あそこでおぼれたんですよ。おぼれたけれども、おばさんに助けてもらったんです。それで、そこから縁があるなぁって、おじさんたちにからかわれているんですけどね。

住田:水との衝撃的な出会いはおぼれかけた?それはどんな地形だったんですか?

米山:それはですね、何にもない、静かな湖でしたけれども。ま、そんなところですか。水との関係といいますとね。

住田:じゃあ、その水でちょっとピンチになったというのがあったというわけですが、京都大学では工学部で土木に進まれた?

米山:土木に行きたかったのはですね、一つは、先ほど道路の話がひとつありましたね。それから、それ以外にも、いろんなところで、工事現場を見るのが好きだったんです。
工事現場で、例えば通学路の途中であったら、毎日ちょっとずつこうできていくじゃないですか。それはまぁ、今日はここまでとか、あそこはどうなんのかなぁとか、勝手に考えながら、見てくのが好きだったんです。そういう何かものを作ったりとか、土木系の話とか、昔から好きだったんです。高速道路も含めて。
だから、その工学部の中で土木を選ぶっていうのはもう、私的には結構自然の流れだったということもあります。

住田:その中で河川工学を選ばれたのは、どうしてですか?

米山:それは、どうしてだったかよくわからないんですけどもね、水は結構とっつきやすいなぁと思ってたんですけど。最終的に河川工学にしたのは、じゃんけん負けたからという(笑)。

住田:専攻をみんなで振り分ける時にですね。意外と、偶然が道を作ってくれるのかもしれませんが、それでさらに研究者になろうと思われたのは、なにかステップがあったんですか。

米山:それは、やはり、卒論の研究とか、修士論文の研究をする中で、数値解析をやらせていただいたんですけれども、完全にある部分は任せていただいて、それで自分で頑張ればそれなりの結果が出るというような事がだんだんそれで面白くなってきまして。

住田:学部の時の研究テーマが、「急拡部=急に拡大する部分の流れの数値計算」。

米山:はい、よくわかんないですよね。

住田:これはどういうものなんでしょうか。

米山:たとえばですね、ある狭い川だと思っていいんですけど、川みたいなところから急に海みたいにひらけたところでは、急に水が勢いよく流れてきますと、水がひろがりますよね。その時の流れです。

住田:これは、それを研究すると、何にいかされる、あるいは何が見えてくるんですか?

米山:何に使えるかと言いますと、やはり、災害時ですね、川の流れの勢いが強いときに、速い流れになるんで、たとえば、海であれ、海の底を護岸をするとか、この部分を守っとかなきゃいけないいうようなことを把握するときに使います。



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